占い師の細木数子さんが8日、呼吸不全で亡くなった。83歳だった。娘の細木かおりさんが自身のインスタグラムで明かした。

細木数子さんの冠番組TBS系「ズバリ言うわよ!」(04年8月~08年3月)で総合演出を務めた坂田栄治氏が日刊スポーツの取材に応じ、細木さんを悼んだ。

本当に、優しい人でしたね。毎週、プロデューサーと3人で、知り合いのお店で(「ズバリ言うわよ!」の)放送を見ながらご飯を食べて反省会をしていました。すごい研究熱心で、テレビ的な人だから、世の中がそれで湧いてくれたりとか、お客さんがそこを求めているんだっていう目線は常にありました。世の中が求める細木数子像を自分でやっていたと思います。

いろんな人と仕事したけど、1番面白いんですよ。人生経験が半端ないし、突き進んでいる道が異常なんですよ(笑い)。しゃべりとか、笑いとか全部分かっていてやっているんです。誰も気づいていないんですけど、話術が半端ないんですよ。

(タイトルの)「ズバリ言うわよ!」は、芸能人に対して、今から何かを言う時に、特番の中で言ったフレーズですね。言葉のセンスが良いんですよ。刺さる言葉を言うのがうまいんですよ。本もめちゃくちゃ読んでいたし、言葉の天才ですよね。

数子さんは、覚悟決まって生きている人だから、本音を言えちゃうんですよね。ダメなことをダメだって言う人が当時テレビの中にあんまりいなくて。うそがない。それを時代が求めていたんだと思います。すごくまっとうな人なんですよ。テレビ界もみんな数子さんを使いたがりましたね。

数子さんは占いっていうよりも「人間学」だから、この人はつらそうだなとか、そういうことが全部分かっちゃうんですよ。悩んでいる人たちにいっぱい接してきたから、人の動きとか、歩き方、しゃべり方、食べ方とかでこの人がどんな状況かわかるんですよ。

だから会話していてもウソがつけない(笑い)。打ち合わせで、『あなたが今話したいことはそれじゃないでしょ』って言われる。こっちは和ませて3番目くらいに話したいのに、1番目のカードで違うってバレちゃうんですよ。最初から、『今日話しに来たのそれじゃないでしょ』っていう感じ(笑い)。経験で分かるんでしょうね。

個人的なところでいうと、自分の今の生き方とか、その後『マツコの知らない世界』をやったりとか、自分が今、それなりに活躍できてるのは、数子さんの教わった通りの行動をしているから。お母さんじゃないけど、お母さん。師匠であり、お母さんだな。いろんなことを教わりましたね。本当にありがたいです。