米人気ラップ歌手トラビス・スコット(30)が、自身が主催した米テキサス州ヒューストンで5日に行われた音楽フェス「アストロワールド・ミュージック・フェスティバル」で観客がステージに殺到して少なくとも8人が死亡する事故が起きた後、市内のレストランで行われたアフターパーティーに参加していたことが明らかになった。

芸能情報サイトTMZによると、スコットは事故が起きてショーが中止された後、サプライズゲストとしてステージに登場したドレイクが主催するパーティー会場に移動し、日付が変わって朝になるまでドレイクら出演者とパーティーを楽しんでいたという。

スコットの関係者によると、フェスの会場を出る際には状況の深刻さを理解しておらず、パーティー会場に到着した時点でも事故の重大さは公になっていなかったという。情報筋によると、スコットとドレイクは事故の詳細を関係者から告げられた直後にパーティー会場を去ったという。

匿名の関係者は「関係者の誰もが死者が出ていたことは認識していたが、薬物によるものだと考えており、さほど深刻には受け止めていなかった」とコメント。スコットは負傷者が出て客席が混乱する中、30分間にわたってステージでパフォーマンスを続けていたことが分かっており、大惨事が起きていたことを認識していなかったことがうかがえる。

過激なパフォーマンスで知られるスコットのライブでは過去にも観客が負傷する事故が起きており、2017年には暴動を扇動したとして起訴もされている。 また、別のライブでもバルコニー席から落下したファンが下半身不随となる大けがを負う事故も起きており、今回のショーでもファンを扇動する様子が動画に収められていたことから「防げたはずの事故」と批判を浴びている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)