宝塚歌劇団の花組ホープ、希波(きなみ)らいとが30日、兵庫・宝塚大劇場で、新人公演「忠臣蔵ファンタジー『元禄バロックロック』」に主演し、初めてのセンターに立った。

花組約2年ぶり新人公演で、5年目にして初主演に抜てき。客席と舞台の間にある「銀橋」を渡り「トップライトの照明の強さにあらためて驚きました」。本公演で毎日、そのライトを浴びるトップ柚香光には「もう心からの感謝の気持ちしかありません。お慕いしてもしても、しきれません」と感服の思いを語った。

その柚香からは、役柄に誠実に向き合うよう指導されたと言い「(本公演での)柚香さんを見て、誠実に演じきることの大切さを学びました」と語った。

希波は17年入団の103期生。177センチ長身と長い手足、立ち姿の麗しさで、注目度は年々、増していた。3年目だった19年には、柚香主演の「花より男子」で、メインキャスト「F4」の1人、西門総二郎役にも抜てきされていた。

コロナ禍で新人公演取りやめが続いた日々を振り返っては「ずっと悔しかった」とも吐露した。今回、やっと新人公演が上演され「皆で心ひとつに結束して、下級生たちが放つエネルギーも感じた」と言い、センターとしての視野の持ち方、見え方も吸収した。

今作の本公演は、トップ柚香が2人目相手娘役に星風まどかを迎え、新体制で臨む本拠地お披露目。花組100周年作として上演されている。忠臣蔵をもとにしたファンタジー作で、新人公演では、相手役ヒロインに1学年下の美羽愛を迎え、タッグを組んだ。

希波は、本公演演出の谷貴矢氏から「お互いへのLOVEを意識して」と言われたとも明かし、稽古段階から意識し続けていたという。「いろんな愛の形が芽生えました」。役者としての幅の広がりも実感した。

美羽は「お客様の前でお芝居ができること、ありがたく。感謝しかありません」。本役のトップ娘役星風まどかからは「歩き方ひとつ、所作ひとつ、見て学びました」と話していた。

東京宝塚劇場での新人公演は来年1月20日。