作詞家荒木とよひさ氏(78)が初演出を手掛ける舞台「いつかA列車に乗って」(9日初日、東京・浜松町の文化放送メディアプラスホール)の初日前会見が行われ、主演の永島敏行(65)川上麻衣子(55)らが出席した。

昭和の面影を残すジャズバーを舞台に人生の忘れ物がテーマの今作は、荒木氏のオリジナルで、03年に津川雅彦さん主演で映画化された。荒木氏は「いつか舞台にしてみたいと思っていたが、プロデューサー言われた時は、むずかしいよ、と言いました。でも、いいキャスティングをしてもらい、自分の作品ながらジーンとくる」。映画でもメガホンを取ったが舞台の初演出には「映像だとカットもできるし、アップにもできる。舞台は顔の表情も言葉のやりとりも、生なので取り返しが利かないので難しいですね」。

主演の永島はバーの中だけの芝居なので不安があったというが「けいこを重ねるうちに、せりふの語尾を修正しているうちに、人物が生きてくるようになった。キャッチボールができるし、人生劇が見られるようなった」。金曜日の貴婦人と呼ばれる伝説のジャズシンガーを演じる川上は「歌を、しかもジャズを歌うのでプレッシャーはあります。ボイストレーニングを受けましたがドキドキです。衣装も荒木先生の奥さまのをお借りしました」。

ほか、堀田真三、中村ゆうじ、伊崎央登も出席。舞台はジャズバーになっており、客席とも段差がないため、観客もバーの客になった雰囲気が味わえる。東京公演は11日まで、大阪公演は心斎橋PARCO SPACE14で15~17日。