10日に放送された菅田将暉(28)主演フジテレビ系連続ドラマ「ミステリと言う勿れ(なかれ)」(月曜午後9時)の初回90分スペシャルが、世帯視聴率13・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切った。

初回を見てびっくりしたのは、主要キャストとして散々宣伝してきた遠藤憲一(60)が殺人事件の犯人役だったことだ。原作のコミックを見ていた人間は「いったい、どのあたりで判明するんだろうか」と興味津々だったようだが、読んでない当方はびっくりだった。

遠藤は同局系の昨年10月期連ドラ「ラジエーションハウス」にもレギュラー出演。昨年暮れのスペシャルドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」で故いかりや長介さんを演じて大好評だっただけに、連闘を驚嘆する思いでながめていた。

「ラジエーション-」と「ミステリ-」、両作品の草ケ谷大輔プロデューサー(37)に聞くと「初回で殺人事件の犯人と分かるんですが、原作を知らない人にネタバレすると困るので、主要キャストとして宣伝させてもらいました」と教えてくれた。ぜいたくなキャスティングが、好スタートの要因の1つだろう。ちなみに両連ドラとも、放送開始前に収録を終えていて、遠藤は「ミステリ-」初回収録を終えてから「ラジエーション-」のレギュラー収録をしたという。

昨年秋から今年初めにかけて、同い年、還暦の遠藤の活躍に刺激を受けた。そして、年が明けてからは、さらなる年長者に刺激をもらった。

新年一発目の仕事は4日の東京・浜町の明治座での「梅沢富美男劇団 梅沢富美男特別公演 泉ピン子特別出演 後見人梅沢武生」の取材だった。梅沢が71歳、ピン子が74歳と古希を過ぎても達者な芸を堪能できた。

そして7日には府中の森芸術劇場でASKA(63)のコンサート。ストリングスをバックに従えた華麗なステージングに魅了された。若いアイドルグループの名前と顔が、なかなか一致しない記者にとっては、アンコールで自身が作詞・作曲した光GENJI「パラダイス銀河」を披露してくれたのはうれしかった。次は「ガラスの十代」ならぬ「ガラスの“六十代”」をリクエストしておこう。

そして13日に行われた「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」の公式アンバサダー就任会見。最年長の郷ひろみ(66)が「今年がデビューして50年。GO GO GO! の精神で明るくサポートして行ければ。ジャパ~ンを元気にする」と“ヒロミ節”をさく裂させてくれた。

年を取って取材したことのある人の訃報原稿を書くことも多くなった。今月9日になくなった海部俊樹元首相(享年91)には、89年8月の首相就任直前に自宅で幸世夫人を取材させてもらった。当時、27歳でポロシャツ姿で次期首相を取材する記者自身の写真も古いネガから発掘された。

まだまだ、取材すること、伝えることがたくさんあると“熟年パワー”たちに思い知らされた年の初めだ。【小谷野俊哉】