19日に「塞王(さいおう)の楯」(集英社)で直木賞を受賞した時代劇作家今村翔吾さん(37)が一夜明けた20日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時30分)に生出演した。

今村さんはパーソナリティー生島ヒロシ(71)が会長を務める「生島企画室」に文化人として所属。前夜は、一緒に都内のホテルで受賞の知らせを待った。

生島から「電話を受けているうちに、顔が青ざめて行って、そのうち涙がにじんできましたね」と言われると、今村さんは「自分でも予期せぬ反応をしてしまいましたね。あんまり覚えていないんです。顔が青くなったのなら、受け入れる覚悟をしていたんですかね。電話の音で一瞬、血の気が引きました」と振り返った。

受賞決定直後に、月に1回コメンテーターを務めているTBS系「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)で生中継。メインキャスターの井上貴博アナウンサー(37)と喜びを分かち合った。

今村さんは「井上アナ、メッチャ泣いてましたね。よく食事を一緒にして、クリスマスとか2年連続で一緒にいましたね」と振り返った。

「塞王の楯」では、主人公の匡介(きょうすけ)は戦国時代に石垣作りの職人集団「穴太州(あのうしゅう)」の頭目である飛田屋の源斎(げんさい)に育てられる。絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考え石積みの技を磨き続けた。豊臣秀吉が没して戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次から琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、「国友衆(くにともしゅう)」に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋をたたきつぶす」と宣言する。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける。

今村さんは「着想をどういう風に形にしていくのか試行錯誤しました」。生島は「本来、戦争を起こすのも、平和にするのも人の心ですね」と話した。

今村さんは、今年1年間で11冊の著作を予定している。ハードなスケジュールに「48時間で4時間寝るのが、人間の体やと思いこませています。これからは健康とかも考えてやっていきたいですね」。

受賞したことで多くの人から祝福された。「思ってた以上でしたね。おめでとうメッセージが400通以上来ていました。今朝になって、もっと増えていました。直木賞、恐るべしですね。何年も連絡をとっていない方からもお祝いをいただきました。これからもよりよい作品を生み出していきたい」と話した。

生島は「僕のところにも、お祝いのメッセージがたくさん届きました。作品が映像化されるのも楽しみですね」と話した。