全国的に新型コロナウイルスの感染者が拡大し、1月末から上演取りやめが続く宝塚歌劇で、星組トップ礼真琴が主演するミュージカル「王家に捧ぐ歌」は17日、愛知・御園座で、9日遅れの開幕を迎えた。27日まで。

初日の幕が開き、無事に公演を終えた礼は「本日、この日を迎えることができました。ご心配、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。たくさんの励まし、温かい言葉、全てみなさんのご尽力に感謝の思いでいっぱいです」と感謝の思いを伝えた。

同公演は当初、8~27日までの日程で予定されていたが、公演関係者の感染が確認され、この日午前開演分までの公演は、中止となっていた。

今作は、エジプトの若き将軍ラダメスと、エジプト軍に捕らえられたエチオピア王女アイーダとの悲恋を描き、オペラ「アイーダ」としても知られる。ラダメスを主人公にした宝塚バージョンとして、03年星組で初演。今回、15年の宙組以来、7年ぶりの宝塚での上演で、一新されたビジュアルでも注目を集めていた。

歌、芝居、ダンスすべてにおいて、下級生時代から高い技量を発揮してきたトップ礼は、非運の若き将軍を圧倒的な技量で好演。コロナ禍の収まらない世情から「不安な思いでいっぱいですが」と言いながらも、劇中のセリフを引用して「明日への希望を失ってはならないのです。明日からの公演も応援のほどよろしくお願いします」と誓った。

王女アイーダはトップ娘役の舞空瞳、アイーダの兄ウバルドは極美慎が熱演し、絶世の美女とされるエジプト王の娘アムネリスには有紗瞳がふんした。

宝塚ではこの日、星組人気スター瀬央ゆりあ主演の「ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~」についても、宝塚バウホール公演は中止となったが、19日からのKAAT神奈川芸術劇場は、予定通り実施(25日まで)することが発表された。

一足早く初日を迎えた礼にとって、瀬央は星組の仲間であり、同期でもあるだけに、この日の終演後のあいさつでも触れ、喜びの思いを口にしていた。