日本映画大学名誉学長で映画評論家の佐藤忠男(さとう・ただお)さん(本名飯利忠男=いいり・ただお)さんが17日に死去したと21日、同大学が公式サイトで発表した。91歳。新潟県出身。病気療養中だった。葬儀は近親者で執り行われた。

1930年(昭5)10月6日、新潟県に生まれた。働きながら市立工業高校で学び、映画雑誌に映画批評を投稿、31年にそれまでの著作をまとめた「日本の映画」でキネマ旬報賞を受賞した。

その後は映画のほか、大衆芸能、演劇など幅広い分野で評論活動を展開。わが国を代表する映画評論家として「小津安二郎の芸術」「大島渚の世界」「長谷川伸論」など多くの著書を発表してきた。

95年に毎日出版文化賞、96年に芸術選奨文部大臣賞を受賞。同年に紫綬褒章。02年に勲四等旭日章。19年に文化功労者。