27日に米ロサンゼルスで開催された第94回アカデミー賞授賞式で、妻への非礼な発言に憤慨した俳優ウィル・スミス(53)から平手打ちされたコメディアンのクリス・ロック(57)が、司会者の一人ワンダ・サイクス(58)にアフターパーティーの席で謝罪していたことが明らかになった。

30日に米NBCテレビのトーク番組「エレンの部屋」に出演したサイクスは、「これ言っても構わないと良いけど」と前置きした上で、授賞式後のアフターパーティーでロックを見かけたので近づくと、開口一番「ごめんなさい」と言われたと明かした。「なぜ謝るの?」という感じだったというサイクスに対し、「あなたたちが主役になるはずの夜だったから。あなたと(共同司会者の)エイミー(・シューマー)、レジーナ(・ホール)は素晴らしい仕事をしていた。それが、このような形になってしまって申し訳ない」と述べたという。

サイクスは一連の出来事について「気分が悪くなった。今もまだ少しトラウマを抱えている」と語り、スミスが平手打ち後も会場にとどまって残りの授賞式を楽しむことが許されたことは世間に対する間違ったメッセージになったと主催者を批判した。「誰かが暴力を振るえば、建物の外にエスコートされて追い出されるだけのこと。それをしなかったことはとても不快だった」と語った。

また、シューマーも30日に自身のインスタグラムを更新し、ロックの対応はプロだったと思うと述べる一方、スミスに対しては「まだショックを受け、あぜんとし、悲しんでいる」とコメント。自身や司会を務めた仲間を誇りに思っているが、この不快な気持ちが私たち全員が目撃したものから消えるのを待っていますとつづっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)