YouTubeなどのネット配信動画がブームとなる中、3月からBS放送に新たに3チャンネルが立ち上がった。そのうちの1つが吉本興業グループが手がける「BSよしもと」。看板番組となる「Cheeky’s a Go Go!~行く・見る・味わう・楽しいニッポン~」(月~金曜午後1時)で進行を務める赤間有華アナウンサー(27)にチャンネルの魅力と今後の展望などを聞いた。【松尾幸之介】

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BSよしもとは地方創生をコンセプトに、地域の魅力を発信しながら活性化に貢献することを目的に設立された。その中心となるのが赤間アナが進行を務める4時間生放送の帯番組「Cheeky’s a Go Go!~行く・見る・味わう・楽しいニッポン~」だ。吉本興業は11年から47都道府県に住み込みで活動する「住みます芸人」を各地に派遣しており、彼らが生出演するなどして地域の魅力を存分に伝えている。赤間アナも「時間を感じさせないほどすごく楽しくて、自分も旅している気持ちで楽しんでいます」と語る。「各地の魅力的な場所にみなさんが行ってくれたらいいなと思っています」と話し「番組はテレビでもネットでも見られるので、より多くの人に見ていただきたいです」とアピールした。

BSの新チャンネルは3月21日放送開始のBSよしもとをはじめ、同26日開始のBS松竹東急、同27日開始のBSJapanextの3つが開設。赤間アナも開局に合わせて採用された新アナウンサーの1人だ。石川県と神奈川県の地方局で働いた経験を持ち、コンセプトにひかれて「ぜひ立ち上げから参加したい」と採用試験を受けた。これまでも吉本芸人と絡む機会はあり「芸人さんをリスペクトしていますし、これまでの経験を生かしたい思いもありました。生放送も好きで、一番やりたいと思っていた番組を担当できてうれしいです」と笑顔で語った。

採用は2人のみで、唯一の同期、佐竹美希アナウンサー(29)とは偶然の再会となった。赤間アナが石川・北陸放送時代に佐竹アナは同県内のテレビ金沢に勤務。お互いにBSよしもと入りは知らず「顔合わせで会って、驚きました。(採用も)もっと多いのかなと思っていたので。2人でいつも連絡を取り合っていますし、ざっくばらんに話せる間柄です」と明かした。

BSよしもとは公式サイトでも配信されており、スマートフォンやパソコンでも視聴することができる。地方局時代とは違う反響もあり「家族や地方の友達からも『見たよ』と連絡がきますね。おばあちゃんからも毎日写真が送られてきて『親戚みんなで見たよ』と言われたり。元気をもらえています」。

出演する「Cheeky’s-」ではトレンディエンジェルや次長課長、トータルテンボスら曜日ごとに代わる実力派芸人らのまとめ役も担う。BSよしもとは自宅で全録画し、放送後はすぐに見返す。「間を間違えたな~とか、いろいろ反省しながら見ています。やっと流れがつかめてきたところ。修業だなと思って毎日やっています」。

3歳からクラシックバレエに励み、大学時代はチアリーディング部の主将を務め、東北大会優勝も経験。取材時はヒールを履いていたが、難なくウルトラCの大技「スコーピオン」も披露した。現在もわずかな休みとなる土日を使ってバレエに通い、最近はボクシングにも励むなど、見かけによらず体育会系だ。「体を動かすのが好きで、どんな勤務にも耐えられます」と週5日4時間の生放送にもケロリ。今後についても「屋外での中継もやってみたいし、新番組の提案もしていけたら」と意欲をみせる。地方創生を体現する女子アナへ。「チアは人を励ますことだったので、その精神で番組を通しても地方創生に貢献したい」と力を込めた。

◆赤間有華(あかま・ゆうか)1994年(平6)5月19日生まれ、宮城県仙台市出身。宮城教育大時代はサッカー、ベガルタ仙台のチアリーディングチームにも所属。卒業後の17年に北陸放送へ入社し、情報番組「アカマルジャポン」他、報道からバラエティー番組までを担当。19年から勤務のテレビ神奈川でも、人気長寿番組の情報バラエティー「あっぱれKANAGAWA大行進」を担当。21年1月発売の週刊誌「FLASH」掲載の全国都道府県女子アナ人気ランキングでは神奈川県1位を獲得した。血液型O。

○…BSよしもとは「Cheeky’s-」のほか、夜には佐竹アナが担当する帯ニュース番組「ワシんとこ・ポスト」(月~金曜午後7時)を放送。深夜帯にはテレビ埼玉と共同制作する「それゆけ!大宮セブン」(水曜午後11時)などのバラエティー番組も日替わりで届けるほか、吉本新喜劇の再放送なども行っている。

 

◆BSJapanext テレビ通販などで知られるジャパネットたかたの親会社であるジャパネットホールディングスが手がける放送局。テレビショッピングをはじめ、朝日放送と共同制作する「パネルクイズ アタック25Next」など自社制作番組も数多く放送。専用アプリで一部番組は同時配信視聴もできる。

◆BS松竹東急 映画製作などで知られる松竹の子会社、松竹ブロードキャスティングと鉄道会社などを傘下とする東急が共同で設立。親会社の強みを生かした映画や歌舞伎・舞台、ドラマの3本柱をメインにオリジナルコンテンツも制作するなど、幅広いジャンルの番組を放送。