「ほうろう」などで知られるシンガー・ソングライターの小坂忠(こさか・ちゅう、本名・小坂正行=こさか・まさゆき)さんが29日午前10時43分、全身がんによる肝不全で死去した。73歳だった。

1969年(昭44)に小坂さんと「エイプリル・フール」を結成した、作詞家の松本隆氏(72)が同日、ツイッターを更新し、小坂さんの死を悼んだ。

「天国の忠へ。最後に話したのは武道館のバックステージの廊下。車椅子で、松本のために歌いたいって、手術から1週間も経ってないのに退院を早めて来てくれた。19の頃、新宿のパニックでマイクに向かう忠の背中を見ながら、毎夜ドラムを叩いていたのが懐かしいよ。」

松本氏は、21年11月に日本武道館で開催された、自身の作詞活動50周年記念ライブ「風街オデッセイ2021」に出演した小坂さんが、手術から1週間もたたずに参加してくれたと感謝した。

その上で、クリスチャンだった小坂さんが、埼玉県所沢市の秋津福音教会で、主任牧師を務める妻の叡華さんとともに宣教牧師を務めていたことを踏まえ

「牧師さんだから、天国の階段を迷わず上るんだね。帽子を振りながらダンディにね」

と、独特の言い回しで悼んだ。