日本のリズム&ブルースの元祖と言われる75年の楽曲「ほうろう」で知られるシンガー・ソングライター小坂忠(こさか・ちゅう、本名・小坂正行=こさか・まさゆき)さんが29日午前10時43分、全身がんによる肝不全のため、埼玉県内の自宅で亡くなった。73歳だった。妻で所属事務所代表取締役の叡華さんは公式サイトで「5年前に発症したS字結腸がんから転移した全身がんによる肝不全との闘いを終えて天に凱旋(がいせん)しました。デビューから55年の幸せな音楽人生でした」と報告。関係者によると叡華さん、娘、孫娘にみとられたという。

小坂さんは66年にロックグループ「ザ・フローラル」を結成し68年にメジャーデビュー。翌69年には後にはっぴいえんどを結成する細野晴臣、作詞家の松本隆氏と「エイプリル・フール」を結成。解散後、71年に初ソロアルバム「ありがとう」をリリース。76年にクリスチャンになり、78年にはゴスペルレーベルを設立し秋津福音教会では叡華さんとともに牧師を務めた。

昨年11月には、松本氏の作詞活動50周年記念ライブ「風街オデッセイ2021」に出演。3月1日には公式サイトに文書を寄せ「体力回復のため自宅療養中。大腸がんステージ4との戦い、頑張ってま~す。そして、ウクライナのため祈ってます」と、ロシアのウクライナ侵攻を憂えていた。