市川染五郎(17)が13日、6月に演じる徳川信康ゆかりの愛知・岡崎城、浜松市・二俣城跡などを訪ねた。染五郎は「六月大歌舞伎」(同2~27日、東京・歌舞伎座)の第2部「信康」で、歌舞伎座初主演、家康の長男として生まれながらも、若くして自刃せざるを得なかった信康を演じる。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で話題になった源義高に続き、悲劇の若者を演じることになる。

信康の足跡をたどった染五郎は「自分が演じる役のゆかりの地を訪れることができ、大変うれしかったです。来なければ分からないことがたくさんありますし、自分が想像していなかった角度からも信康のことを知ることができ、多くの収穫がありました」と話した。

信康の最期の地である二俣城は、石垣や土塁などが残っている。染五郎は「二俣城跡は、事前にネットでも調べていましたが、今日実際に訪れてみて、何もないからこそ、『ここでこういうことがあったのだな』と想像することができ、より信康のことを知ることができました。現代に生きる私たちには想像もつかないような覚悟を持って生きなければならなかった時代の信康の悲劇的な運命、強さを肌で感じることができました」と感慨を深めた。

一緒に訪れた脚本、演出の齋藤雅文氏は「染五郎さんは信康という役にとても合っている方だということを、この地に来てさらに感じました。信康は激しいキャラクターですが、とても切なく、青春を生き抜いた男、いいドラマになると確信しました」とコメントした。