ウクライナ支援などのために競売にかけることを発表した、米歌手マドンナ(63)がフルヌードで蝶や木を出産するシーンを描いたNFTアート(偽造ができない非代替性トークン)が、過激すぎると物議を醸している。

マドンナは11日、昨年6900万ドルで作品が落札されたことで注目を集めた「ビープル」の名で知られるデジタルアートの作者マイケル・ウィンケルマン氏とコラボしたNFT作品3点を発表し、収益は女性と子供を支援する3つの慈善団体に寄付することを表明した。

発表されたのはマドンナの体を3Dスキャンして製作されたリアルな映像で、裸体で横たわるマドンナの女性器から蝶や木、ロボット昆虫が生み出される様子が描かれている。しかし、その中には立体的な女性器のクローズアップ映像も含まれており、ネット上ではあまりに生々しい描写に「気持ち悪い」などと批判が殺到。NFTや暗号通貨のイメージを台無しにしたと非難する声も上がっている。

マドンナは「子供が女性の膣から世界に生み出される方法だけでなく、芸術家が創造性を生み出す方法についても創造の概念を研究したかった」とコメントし、出産は太古の昔から女性が行ってきたことで、それを表現していると説明している。

80年代に「セックス・シンボル」のイメージで一世を風靡して世界的なスターとなったマドンナは、1992年にもヌードだけでなく性行為も描いた写真集「SEX」を出版して世間に衝撃を与えていたほか、昨年もインスタグラムで挑発的な写真を公開してガイドライン違反で削除されるなどしている。

マドンナは「もっとも重要なことは、この機会を利用して現在最も困窮している母親と子供たちに利益をもたらすこと」と述べており、13日に終了予定のオークションの収益はロシアによる侵攻を受けて避難を余儀なくされているウクライナの女性と子供やコンゴ民主共和国の女性の支援などのために使われると自身のSNSで述べている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)