日向坂46渡邉美穂(22)の卒業セレモニーが28日、東京国際フォーラムホールAで行われた。アンコールではドレス姿で登場し、涙しながら約15分間スピーチ。家族やファン、スタッフやメンバーに感謝を伝えた。全文は以下の通り

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アンコールありがとうございます。ドキドキしますね~。まずはあらためて、こうして卒業セレモニーを無事迎えられたこと、本当にうれしく思います。会場に足を運んでくださった皆さんも、今、配信をご覧の皆さんも、本当にありがとうございます。

(拍手を浴びる)

ずっと、卒業を発表してから、この場で何を話そうかなって。最後、私はおひさま(ファンの愛称)の皆さんを目の前にして、どんなことを伝えようかなって、何カ月も考えてきたんですけど。伝えたいことがありすぎて、全然決まんなくて。結局この場に立って、そしてここまでいろんな楽曲を披露してきて、今素直に感じることを伝えるのが、一番私らしいかなって思って、今ここまでやってきて、その思いをちょっと伝えようかな、と思います。

(深呼吸する)

正直、ずっと実感が湧かなくて。今この瞬間も、あれ、私って本当に卒業するのかなって思うくらい、本当に信じられないんですね。それくらいこの日向坂46っていうものが私の人生の一部になっていて、それがこれからなくなるって、すごい全然想像できないんですよ。でもそれって、すごい寂しいなとも思うけど、幸せだなとも思って。

なんかメンバーって本当に家族みたいな存在で。メンバー以外にも、いつも支えてくださってる周りの方々だったりおひさまの皆さんも、本当に私にとってはとても大切な人たちで。そんな人たちに囲まれて今この場を迎えられるって、本当に幸せだなって思います。

なんか正直、私は、入った時から「しっかりしてる人」とか、「スポーツ少女」とか思われがちで、自分もそう徹してきたんですけど。でも実際にはすごい繊細で弱い部分もあったし、でもそれを全て包み込んで受け止めてくれる人たちが周りにはたくさんいて。この5年間でほんとにアイドルとしてはもちろん、人間としても大きく成長させてもらえたなって思います。

この5年間活動してる中で、やっぱり必死にこうして駆け抜けてきていると、自分が今どういう状態で、周りからどう見られてるのかな、とかすごく悩んだんです。あまり成長できてないんじゃないかなとか、皆さんの期待に応えられてないんじゃないかなってすごい悩むこともあったし。もちろん楽しかったり、楽なことばかりじゃないので、いっぱい悩んだりもしたんですけど。

その中で、自分って誰かのためになれてるのかな、とかすごく悩んだんですね。でも4月3日に卒業発表してから、自分が思っている以上に、いろんな人から愛を与えてもらえて、自分って、こんなに愛されていたんだな、って初めて知りました。誰かの役に立ててないんじゃないかなとか、自分は何者にもなれないって、入ったばかりの17歳の頃はすごい悩んで。でも5年間頑張ってきて。今この瞬間、こんなにもたくさんの人に私は常に見守ってもらえてたんだなって、強く感じました。

幸せだなって言葉では収まりきらないくらい、大げさかもしれないけど、本当に生きてて良かったなって、この道にきてよかったなって、そう思います。そしてそう思える5年間で本当によかったなって、本当に思いました。

今、ミーグリ(オンラインミート&グリート)っていうものをやっていまして、前は握手会ってものもあって、おひさまの皆さんから、いろんな言葉を受け取るんですね。その中で、すごく涙ながらに、私に向かって、「美穂ちゃんのおかげで、人生が変わったんだ」って。すごく苦しかったことがあったけど、それを乗り越えることができたんだって、涙を流しながら伝えてくれるんです。

それを受け取った時に、自分って誰かのためになれていたんだって。自分がかつて大好きな憧れていたアイドルの方々から、生きる希望を与えられたように、今私も、誰かの希望になれているのかなって。もし1人でも私の存在に救われた人がいたら、それだけで私はアイドルになってよかったなって、本当に思います。

(深呼吸する)

この4月3日から、3カ月弱ですかね。本当にいろんな方から「卒業おめでとう」とか「また会おうね」とか言われて、私も感謝の気持ちしかなくて。普段から私のことを支えてくださったスタッフさんだったり、今このイベントを一緒にこうやって作り上げてくださったライブチームの皆さんだったり、これまで私と一緒にお仕事してくださったたくさんの方々にも、本当にたくさんの刺激を受けたし、いろんなところで、「また一緒にお仕事しようね」って。そう言っていただけるのって、やっぱり簡単なことでないので。本当にここまでやってきてよかったなと思いました。

そして、やっぱり家族は一番身近なところで私を支えてくれて。今日も見てると思うんですけど。私家族に1回、「美穂がアイドルになってたから、みんなで毎回ライブに行ったり、ツアーの時とか全国いろんなところに行ったり、大人になってこんな家族で集まることってきっとなかったから、美穂アイドルやっててよかった」って言われた時に、「私、今すごい親孝行できてるんだな」って思って、うれしくなりました。

ライブとか本当に楽しみにしてくれてたので、これからその景色を見せてあげられないのがすごく申し訳ないなって思うんですけど、私はこれからまた違う道で、違った景色をみんなに見せてあげたいなって思うので、これからも一番近くで見守っていてもらえたらなと思います。

そして、大好きなメンバー。メンバーは多分今、(舞台)袖にいるんですけど。本当にすてきなグループに入れたなって、あらためて思います。一期生の皆さんの、あの明るさに、私も本当に励まされたし、やっぱりこのハッピーオーラの根源というか、このグループの雰囲気っていうのは、一期生がいなかったら作られなかったものです。

このセレモニーリハーサルやっているときとかも、一緒に楽屋にいる時とかも、温かく迎えてくださったり。「誰跳べ」の時に、私をこうやって一番前に最初出してくれたのも、一期生から提案があって、ああやって前に出してもらって。私、こんなにすてきな先輩のもとで後輩ができてよかったなって本当に思ってます。「辞めたら、卒業したらこれからは親友になれるね」って言ってもらえて。その言葉で私は前を向くことができました。

そして三期生のみんなは、4人って結構少ない人数なんですけど、私はみんなの雰囲気がすごく大好きで。一緒に「Right?」ずっと踊るのが夢だったから。セレモニーやるって決まった時も、一緒にやりたいってずっとずっと言ってて。それがかなって私は、もう大満足です。本当にすてきな後輩でどんどんどんどん成長していく姿が感じられて、すごく頼もしいなと思ってます。

これから、私は外から見守ることになるけど、多分、毎回のライブとかのたびに、さらに成長した姿を見せてくれるのかなって、楽しみにしています。

そして、同期の二期生は、本当に個性豊かな子たちばかりで。本当にみんな優しくて、すごく面白くて、私は大好きです。「沈黙が愛なら」を歌ってる時、一番上に立っているから、みんなの後ろ姿が見えたんですね。その時、みんなの背中が5年前よりすごく大きく見えて。みんなこんなに大きくなってたんだなって、すごい感動したし。

1つ言うと、卒業をこうやって決めて、同期の二期生の中で最初なんですけど、多分全員にこうやって囲まれて卒業できるって最初の1人しかいないので、その点ではちょっとラッキーだったかなって言うとアレですけど、みんなに囲まれて卒業を迎えられてよかったなって思います。

そしてやっぱり私が一番感謝を伝えたいなと思うのは、おひさまの皆さんです。今日もこうやって、今会場で話を聞いてくださったり、配信をご覧になってくださってるかと思うんですけど、皆さんがいなかったら、今の私はいません。皆さんの何げない一言が、私を勇気づけてくれたし、卒業を決めた今でも、寂しいと言って惜しんでくれるのは、すごくうれしいし。でも寂しいけど、美穂ちゃんの幸せを願って送り出すね、って。そう言ってくれるファンの人がいるって、ほんとに私は幸せだなって思います。

私を、私を見つけてくれて、ありがとうございました。好きって言ってくれて、ありがとうございました。

本当に5年前、けやき坂46(ひらがなけやき=現日向坂46)のオーディションを受けてよかったなって思います。

これから日向坂は四期生も新しく入って、きっともっと違った形になってくると思うし、永遠に同じものなんてないから、この先いろんなグループが見えてくるのかなと思います。それでも私は、卒業したらおひさまになれるし、外からグループを見たことが、実は一度もないので。そういうまた違った景色が見られるのが楽しみだなって思います。

私は本当にグループが大好きで、メンバーが大好きで、絶対、絶対、みんなには幸せになってほしいです。共にいろんなことを乗り越えてきた仲間たちを、私はこの先の人生を、ずっと応援しています。そして私はこれから、また違った道を自分の足で歩き始めますが、もっとなりたい自分になって、また皆さんと違った形で、会えるのを楽しみにしています。

長くはなりましたが、ここらへんで締めさせていただこうかなと思います。あらためて5年間、本当にありがとうございました!