展覧会「鈴木敏夫とジブリ展」(7月1日~9月7日、東京・天王洲の寺田倉庫B&CHALLほか)の開会式セレモニーが30日、同所で行われ、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫氏(73)らが出席した。

同展覧会は19年に、東京・神田明神でスタート。長崎、京都を経て、再び東京で開催される。鈴木氏が幼少のころから読んできた蔵書の中から8800冊が展示されるほか、映画「千と千尋の神隠し」の油谷別館が初公開される。

鈴木氏は「幼少のころから大事なものを取っておく癖がありました。幼稚園の時の帽子とか、小4の時に描き、デパートに展示された絵とか。みなさんに、よくこんなモノを取ってあったなと驚かれましたが、まさか、自分でも披露することになるとは思ってもみませんでした。でも、取っておいたから、展示することができました」とあいさつした。

蔵書については「本が好きな世代なんです。本が好きで、今回の展示も、僕から全部展示してほしいとお願いしました。バラバラにあったものが、一堂に会するところを見てみたかったんです。実際に見て、単純にうれしかった。本が好きなんだということを、若い人も含めて共有していただけたら」。

さらに、宮崎駿監督、高畑勲監督との、本の読み方の違いについても語った。

「宮崎さんは、児童書をよく読むんです。年に4~5冊は、多いときは10歳冊も。新しい作品がでると読んで、あと、評論ものもよく読みますね。高畑さんは、時代に敏感で、その時代を抑えるものを5~10冊買って、自分の意見を整える感じですかね。僕は乱読。何でも読みます。引かれた作家は、全部読んだりします。今回、蔵書を並べて、専門家に、ベストセラーがないですねと指摘されました。プロデューサーとしては珍しいですね。人が読んでいるものは、興味がないんですね」。