社会学者の古市憲寿氏(37)が9日、テレビ朝日系「中居正広のキャスターな会」(土曜正午)に出演。8日に安倍晋三元首相が奈良市内で演説中に銃撃され、死去した事件についてコメントした。

番組では冒頭から事件を取り上げた。安倍夫妻と親交のある古市憲寿氏(37)は「こんなことが起きた次の日は、朝起きたら全部夢だったんじゃないかなって。でも起きたらそれも現実で。この国がすごく心細くなった」と神妙な面持ちで話した。

夫妻とは今年4月と6月にも対面したという。安倍氏と昭恵夫人の仲の良さについて語り「2回目の総裁選に出る時に晋三さんが迷っていて。1回総理を経験した人がもしもだめだったらどうするの、と言われた時に昭恵さんに相談して。昭恵さんは『あなたがどう見られるかではなく、日本のためになると思うなら出てもいいんじゃないの?』という言葉が後押しになったと聞いた。それくらい仲むつまじい夫婦で。世界中が敵になっても、家に帰ったら昭恵さんがいると晋三さんは思っていたから強くいられた」と振り返った。

また「実際昭恵さんは飲み歩いていることが多くて、家にいることはほとんどなかったと思うんですけど」と苦笑しつつ、「そういう仲のいい2人が見られないと思うと、そろって見られないと思うと、残念です」としのんだ。

テロは社会に大きな不安を与えるが「でも動揺しすぎてはいけないと思っていて。首相経験者が銃弾に撃たれるというのは戦前以来のこと。でも、ただちにこれで日本の治安が悪くなったとか、社会が動揺しすぎることはない。それはテロに負けると言うことでもあると思う」。警備体制の見直しなど必要なことは行うべきとした上で「日本がダメになった、治安が悪くなった、戦前回帰だっていう風に一足飛びに思考を飛ばさない方がいいと思う」と語った。