爆笑問題太田光(57)が10日、TBS系「サンデー・ジャポン」(日曜午前9時54分)に出演し、銃撃され死去した安倍晋三元首相について語った。

太田は安倍氏との関係について「何度かお会いして、お話しさせていただきました」と説明。そして「僕は政治バラエティー(番組)を長年やってるんで、テレビの人間としてはとにかく、バラエティーに出てきてくれる政治家を信頼してるんですよね。安倍さんは、おれみたいな青臭い若造でも、『あなたの言ってること違うと思います』って(言ってくれた)。おれですからね、暴言もはくし、それでも真っ正面から受け止めてくれたし、君とは会わないということは絶対なくて、またおれと会おうとしてくれた」と振り返った。

そして安倍氏の信条などについて「政治家として考えていることはたとえ違っても、言葉で交流するのが安倍さんの基本だったと思うし。安倍さんがよく口にしてたのは『自分は戦う政治家である』ということと、何度もおっしゃっていたのが『法の支配』ということでした」と話し、「これは”言葉で戦う”という宣言だとおれは思ってたし。今回犯人がやったことは、言葉をあきらめたんだなと。世の中とかかわることを、自分で遮断してしまった。言いたいことがあるなら、交流する場が選挙ですよね。それが安倍さんが言っていた法の支配であり、戦うということだったんだけれども、全く通じなかったんだと思うと言葉の無力さを感じてしまうんだけど。それでも、残酷なようだけど日常は続いていくし、信じ続けるしかない」と続けた。

太田はロシアのプーチン大統領にも言及。「今回世界中から追悼の言葉がきて、びっくりしたのは、プーチン大統領からも追悼がきましたよね。今思えば安倍さんが地球儀を俯瞰(ふかん)でする外交をしたということの成果だと思うんですよ。(ウクライナと)戦争中のプーチンが安倍さんを絶賛する追悼を出した。それは安倍さんの言葉が通じたということの証しだと思うから、おれはプーチンはそれをもう1度思い出してほしいとこの機会に思う」と話した。

そして「今すごくみんな、怒りも絶望もマックスに達してますよね。SNSでは(政党などの)どっちの支持者も暴言やなんかがあるって聞いてるけど、今やっぱり分裂する時じゃないっていうか、ののしりあう時じゃないって思うし。それが安倍さんの遺志だって僕は信じますね」と述べた。