トランプ前米大統領が、14日に米ニューヨークの自宅で死亡した元妻イバナ・トランプさんの訃報を受けて支援者らに送信したメールに、寄付を呼び掛けるボタンがついていたことが物議を醸している。イバナさんは14日午後0時40頃に心肺停止状態となり、通報を受けて駆け付けた救急隊員によって死亡が確認された。その後の調べで死因は階段から転落した衝撃による胴体の負傷で、事故死だったことが判明したと米メディアが伝えている。

トランプ氏は1977年に結婚し、92年に離婚したイバナさんの死去を自身が立ち上げたSNSトゥルース・ソーシャルの投稿で報告し、「彼女はすてきで美しく、すばらしい女性であり、偉大で感動を与える人生を送ってきた」と追悼コメントを発表。その後トランプ氏の政治活動委員会セーブ・アメリカが、この投稿のスクリーンショットの下に同委員会への寄付を呼び掛けるボタンを付けたメールを支援者に送信したことで、SNS上で「元妻の訃報を報告しながら寄付を呼びかける最低の人間」「悪鬼」と批判を浴びている。トランプ氏の不倫が発覚した直後に2人は離婚したが、その後は良好な関係を築いていることが伝えられている。

寄付を呼びかけるボタンは同委員会が配信する全てのメールについているとの反論もあるが、2024年の大統領選への出馬表明は時間の問題とされているだけに配慮に欠けた行動であることは否めない。一方、米オンラインメディアはトランプ氏と妻のメラニア夫人は葬儀に参列する予定だと伝えているが、イバナさんとの間の3人の子供の義妹ティファニー・トランプさんは葬儀には招かれていないと伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)