パイオニアの底力をみせる。吉本興業所属の坂本麻子アナウンサー(31)が取材に応じ、昨今の吉本所属アナの増加や現在の活動について語った。同グループ初のアナウンサーとして17年6月に入ったが、今年3月のBSよしもと開局に伴う採用に加え、4月以降も元フジテレビ久代萌美アナ(32)、元テレビ東京亀井京子アナ(39)と局アナ経験者が続々加入。“吉本女子アナ”の認知度向上を歓迎しつつ、出番を分け合う現状に「5年前から入っているのに知られてなくて…。私もいます!」と後輩たちとの共闘をアピールした。

「何てこったって感じですよ」。逆境にあえぐ坂本が心の叫びを明かした。もともと地元福岡でリポーターなどを務め、5年前に上京を決意。「人と一緒は嫌なタイプ」と当時、アナウンサーを抱えていなかった吉本へ入った。イベントのアシスタントMCなどをこなしていたが、今年に入って一気に後輩が増加し、司会や番組出演などの出番は新戦力へ奪われる形に。「ウルトラミラクル代打と言われています」と彼女らが欠席時の代役として呼ばれることが多くなり、前日夜に出演要請の電話がかかってくることも。「すぐに『出れます!』と言うんですけど、3回目の時は次の日が久しぶりのデートの日があって…。仕事を選びましたが『婚活の邪魔はしないで…!』とは言わせていただきました」と笑った。

上昇の気配も感じている。BSよしもとの誕生でアナウンサーが必要な場も増え、6月からは同局のニュース番組「ワシんとこ・ポスト」(月~金曜午後7時)に週3日出演。念願のひとつでもあった報道キャスターとしても奮闘する。昨年末から始めた「企画から撮影、編集まで全部1人でやってます」という自身のYouTubeチャンネル「坂本麻子のあさチャン」は登録者数わずか305人ながら、「6月以降に100人くらい増えたんです!大フィーバー中です」とポジティブにとらえている。

福岡時代から「坂本がニュース番組に出ると面白くなってしまう」と言われ、お化け屋敷でのリポートなど体を張る仕事でお茶の間を楽しませてきたイジられキャラでもある。吉本にも「体を張ることを極めたいと思って入った部分もある」とバラエティーにも前のめりで、「みせるものがないので水着はNGですが、全身タイツはOKです!」と元気に宣言した。

まだ久代ら新戦力の面々たちとはほとんど会ったことがない。硬軟の現場をそつなくこなす彼女らへの尊敬も口にし「今までは『吉本にはアナウンサーがいないと思われているからキャスティングが回ってこないよね』って言われてましたけど、今は知ってもらえている。私もその隙間に入りたい。便乗商法ですね。人と比べると落ち込むので、自分との戦いです」とさらなる“打席獲得”を誓った。【松尾幸之介】

◆坂本麻子(さかもと・あさこ)1990年(平2)7月30日、福岡県出身。大学在学中から地元メディアに出演し、KBC九州朝日放送のリポーターなどを経験。吉本興業入り後はイベントのアシスタントMCをはじめ、20年の映画「甘いお酒でうがい」、芸人のYouTubeチャンネル、小林製薬のCMなどへの出演もこなす。趣味はスポーツ観戦、マージャン、ゴルフ。吉本坂46のオーディションに2度挑戦するも、どちらも苦手なダンス審査で落選。酒に強く、焼酎のお茶割りが好き。