女優鳳恵弥(おおとり・えみ=41)が9日、東京・築地本願寺ブディストホールで、主演・演出・脚本を務める舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」(10~14日)の公開リハーサルを行った。

日本に西洋医学を広めたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの息子たちが、日本の政治や外交に尽力する姿を描く。20年に初演され、21年に再演、今回で再々演となる。

初演と再演には、5月に亡くなった俳優渡辺裕之さんが出演。渡辺さんと約5年前から舞台で共演し、何度も親子を演じていたという鳳は「俳優はその時の気持ちを引きずったまま、関係性が進むことがある。親子のような気持ちでした」と話した。声を震わせながらも「“お父さん”の志を引き継いでいこうと思っていて、カーテンコールの発声は『ファイト1発!』。志を持って舞台に取り組んでいきたい」と意気込んだ。

渡辺さんが2度演じたシーボルト役は、辰巳琢郎(64)が引き継いだ。渡辺さんとは89年放送の昼ドラ「夏の嵐」で共演し、ライバル役を演じた。オファーを受けて出演を迷ったが、辰巳は「やるべきなのかなと、どこかで思った」。自身だからこそできるシーボルト像を目指し、渡辺さんは絶対に被らなかったというウイッグと長いヒゲを身につけたという。「こんなに苦労するとは」とその扱いの大変さに苦笑したが、「形から入ることも大事。でも、芝居や役の魂は受け継いでいきます。いろいろあったけど、それはおなかの中に収めて、辰巳琢郎なりのシーボルトを作っていきたいと思います」と語った。

主演・脚本・演出の3役を務める鳳は「2時間半の長編になってしまったけれど、飽きさせることのない一大エンタメになっています。皆さんにお越しいただきたいです」と呼びかけていた。

石垣佑磨(39)市川美織(28)ペナルティのヒデ(51)三瓶(45)武田知大(35)芝木丈瑠(40)爆風スランプのパッパラー河合(61)総合演出の木村ひさし氏(55)も登壇した。