アニメ映画「ONE PIECE FILM RED」(谷口悟朗監督)が興行収入(興収)150億円を突破した。21日、配給の東映が発表した。公開7週目となる17、18日にも、7週連続週末興行ランキング1位に立ち、8月6日の公開から46日間で興収150億600万6950円、動員1076万4822人(全国500スクリーン)を記録。この記録を記念して、原作の漫画家・尾田栄一郎氏が手掛けた、150億円突破記念ウタビジュアルが公開された。

「ONE PIECE FILM RED」は、8月6日に全国495スクリーンで公開。同日だけで12億3209万5230円、動員86万9407人、翌7日は興収10億2214万1800円を記録し、2日間で興収22億5423万7030円、動員157万9552人を記録。配給の東映の歴代オープニング週末土日2日間興収、動員において、最高のスタートを切った。

8月13日に都内で行われた公開記念舞台あいさつでは、同日に興収50億円を突破したと報告。さらに16日には、興収70億6000万円、動員505万人を記録したと発表。公開から10日間でシリーズ最高興収68億7000万円を記録した、12年「-Z」を超えた。同18日に都内で行われたイベントで、興行収入80億円、動員570万人動員突破を発表。同22日には興収92億円、動員665万人を突破したと発表していた。

8月25日には興収100億円、動員720万人を突破。00年からスタートし、15作を数える「ONE PIECE」の映画として初の大台突破となった。配給の東映では、東宝との共同配給だった21年の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が興収102億8000万円を記録しているが、東映の単独配給作品としては、92億円を記録した1990年(平2)の「天と地」を抜き、同社初の興収100億超えを達成。6日の公開から20日目での興収100億円突破も、今年の公開作品では最速だった。

さらに、1日に都内で行われた大ヒット御礼舞台あいさつで、興収120億1514万3970円、動員861万8377人を記録したと発表。米俳優トム・クルーズ(60)の主演映画「トップガン マーヴェリック」(ジョセフ・コシンスキー監督)が記録した興収118億円を抜き、今年の日本国内の興収でトップに立った。

舞台あいさつでは、主人公モンキー・D・ルフィを演じた声優田中真弓が「おめでとうございます。皆さんのおかげです。会う人に『おめでとう』と言われて…2回目の還暦を迎えたような…120歳を迎えた気分」と喜んだ。その上で「野沢雅子かっ!! 野沢さんは120歳まで生きるって言っているので」と、先輩の野沢の名を挙げて喜びを表現。そして、演じるルフィのセリフを引き合いに「今年の映画王に俺たちはなる!!」と両手を上げて喜んだ。

世界中が熱狂するヒロインの歌姫ウタの演技パートを演じた、声優名塚佳織も「スタジオに入る度に『おめでとう』と言っていただいて…。そういうのは初めてなので、業界でも、いろいろな方が注目してくださって、お祝いしてくださる」と感激を口にした。

谷口悟朗監督は「スタッフは、ねたむ人たちもいたりする。『おめでとう』より『何したの?』って、別な企画の時に言われる」と、アニメ業界でねたまれるほどの好成績だと口にした。その上で「見てくださっているんだな。他人様の作品でも、劇場に行ってくださっているんだなと思う」と、他作品の制作スタッフも劇場に足を運んでいるという印象を語っていた。

既に公開しているフランスでは歴代日本アニメN0.1のオープニング動員、台湾でも22年日本アニメ映画初日興行収入No.1を記録。9月末にはインドネシアやシンガポールなど東南アジアで相次いで公開、そして1月には北米での公開を控えており、今後の世界興行収入にも注目だ。