京都・南座「吉例顔見世興行」(12月4~25日)で「松浦の太鼓」に出演する片岡仁左衛門(78)が17日、大阪市内で取材会に出席した。

「京の風物詩の1つに数えられる『顔見世』が今年も無事開けられるのは、お客さまのおかげ」と目を細めた。

約20年ぶりに主役の松浦鎮信を演じる。役の印象は「とにかく赤穂浪士に対する愛情(が深い人)、無邪気な人、かわいい人」とした。その上で、役作りについては「一つ間違えると軽薄になっちゃうので“大きさ”が必要。ただ、大きさというものは出そうと思って出るものじゃないんです。大きさを出そうとすると小さくなっちゃう」と話した。

同公演には若い俳優も多数出演する。「若い世代でやるのもよいですが、我々の世代と一緒に舞台に立つことも重要」。若手には伝統文化として歌舞伎を継承してほしいと望んでいる。 「その時代に合っていかなければいけませんが、世界遺産の歌舞伎が洋楽入ってやってたらね…。我々はまだ前の世代のにおいを残せている部分があると思いますので、まずは基礎を身につけてから新しいことをやってほしい」と思いを明かした。

同作は、赤穂浪士の吉良邸討ち入りの前日から当日までを描いた忠臣蔵外伝物。初めて見る人にもわかりやすいようにしており、「この記事を読んだお客さまは必ず来てください。海外に誇れる演劇を守るためにもお力添えを」とアピールした。

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