中村ゆり(40)が5日、都内のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画「窓辺にて」(今泉力哉監督)公開記念舞台あいさつに登壇。劇中で演じた、不倫する妻の気持ちを理解出来ないでいた中、夫を演じた主演の稲垣吾郎(48)と芝居で対峙(たいじ)したことで「ストンと自分の中に落ちた瞬間があった」と感謝した。

「窓辺にて」で、稲垣はフリーライターの市川茂巳、中村は市川の妻で編集者の紗衣を演じた。茂巳は、紗衣が担当している若手売れっ子小説家・荒川円(佐々木詩音)と浮気しているのを知っていながら直接、紗衣に言えない上、自分の中に芽生えた感情についても悩んでいた。

中村は、紗衣について「私にとっては、理解するのが難しい役だった。私は浮気をしている妻なんですけど、本当にある気持ちみたいなのを探りながらやった」と難役だったと評した。その上で「初めて、稲垣さんと対峙(たいじ)して、2人でお互いの気持ちを初めて吐露し合うシーンの時、稲垣さんのお芝居に、すごく心を動かされて。ダメなんですけど…本(台本)では理解できていなかった部分が、ストンと自分の中に落ちた瞬間があったんですね」と、稲垣と向き合って演じたことで、理解できていなかった紗衣の心情が理解できたと明かした。その上で「繊細に心でお芝居してくださる方でした。大分、助けられました」と感謝した。

稲垣が演じた茂巳が、とある文学賞の授賞式で出会った高校生作家・久保留亜を演じた玉城ティナ(25)も、共演シーンが多かったという稲垣に感謝した。

玉城 私は稲垣さんとのシーンが、ほとんどだったんですけど、演技、こういうふうにしますとか話し合うタイプでもないですし、カメラの前で、お互いの持っている感情を、そのまま差し出し合うような関係性のお芝居できたかなと思っているので。私も稲垣さんに助けられていましたし、私の方が年下ですけど、役の中で引っ張っていかなきゃいけないところもあったんですが「何でも来い」という感じで受け止めてくださったのが印象的でした。

作品が観客賞を受賞した東京国際映画祭では、10月24日に3年ぶりに開催されたレッドカーペットで、中村と玉城は稲垣とともに歩いた。中村は「私とティナちゃんと、すごく薄着で、すごい寒い日だったので。ずっと横で『寒くない?』『風、強いね』って気遣ってくださって。やっと、その時、初めて何気ない話が歩きながら出来ましたね」と、ともに歩いた稲垣から、温かい言葉をかけられたと明かし、感謝した。