俳優志垣太郎(しがき・たろう)さん(本名河村稔=かわむら・みのる)が3月5日に佐賀県で、心不全のため亡くなっていたことが7日までに分かった。70歳。長男で元俳優匠さん(34)がツイッターで報告した。数々のドラマやバラエティー番組で活躍した。死去から約9カ月後となる訃報に、俳優仲間らが悼んだ。

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匠さんは、母で元女優白坂紀子さんとの連名で、今月6日夜にツイッターで「父志垣太郎が、2022年3月5日に遠征先の佐賀県において、急な体調不良による心不全のため、帰らぬ人となりました」と報告した。公表が死去の約9カ月後となった理由について匠さんは「いつも元気だった父に起きたあまりに突然の出来事であり、私と母は現実を受け止める事ができない状況が続いておりましたが故、発表が遅れてしまいました」と説明している。

そして志垣さんのことを「父は常に物事を前向きに捉えて生きている明るく元気な人でした。私も母も、そんな父の事が本当に大好きでした。父は恐らくそれ以上に私達の事を沢山愛してくれたと思っています」と振り返り、関係者やファンに「本当にお世話になりました。ありがとうございました」と記した。親子2人で親指を立て、笑みを見せるツーショットも投稿した。また、匠さんは7日の投稿で「私も母も既に芸能界を引退しており、今私は一般人として働かせていただいております」とし、今後取材などを受ける予定はないとした。

志垣さんは舞台俳優として活躍し、1971年の日本テレビ系ドラマ「おれは男だ!」で主人公のライバル役を演じ人気に。二枚目俳優として注目され、TBS系「噂の! 東京マガジン」、日本テレビ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」など、バラエティー、情報番組でも活躍してお茶の間で親しまれた。近年では18年、TBS系「ブラックペアン」、テレビ朝日系「リーガルV」などの連ドラに出演していた。

昨年1月には都内で乗用車を運転中、軽ワゴン車と衝突事故を起こし、「この度は、お騒がせして申し訳ございません」などとコメントしていた。関係者によると、08年から所属していた大手事務所は今年2月に退所していたという。 

○…志垣さんは歌手松崎しげる(73)俳優柴俊夫(75)西田敏行(75)田中健(71)とともに「五人会」として親交が深かったという。7日、松崎は「僕の学校の後輩でもあり、五人会のメンバーでもあった志垣…。今日の発表を聞いて驚きを隠せません…。我々の青春時代の仲間であり、志垣とは数多くの思い出があります…彼の結婚式では司会進行をやり、歌も歌いました…。安らかにお眠りください…。ご冥福をお祈りいたします…」、西田は「志垣太郎兄 逝去 未だ信じられず 合掌 ただ ただ 合掌」とそれぞれ追悼コメントを発表した。田中はブログで「空高く、安らかに過ごしてますか?ご家族を心配してそうだけどきっと大丈夫だから。どうぞ安らかに。どうぞ安らかに」とつづった。

◆志垣太郎(しがき・たろう)1951年(昭26)9月22日、東京都生まれ。高校在学中の69年に舞台「巨人の星」で、本名でデビュー。70年、NHK「男は度胸」で志垣太郎に改名。71年の日本テレビ系ドラマ「おれは男だ!」で注目を集め、NHK大河ドラマも「新・平家物語」「花神」などに出演。ほか「あかんたれ」「水戸黄門」など数々のドラマで活躍した。