俳優寺田心(14)が、NHKドラマ「ひきこもり先生シーズン2」(前編は17日午後10時)に出演する。このほど日刊スポーツなどの取材に応じ、作品について語った。【佐藤勝亮】

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同作は昨年放送された同名ドラマの続編。元ひきこもりの50歳の主人公・上嶋陽平(佐藤二朗)が、中学校の非常勤講師となり、子どもたちに生きる力を与える物語。寺田は、中学校に通いながら自宅で母親を介護する「ヤングケアラー」の松田篤人を演じる。

役について「お母さんが大変な状況で、でもそれを友達とか誰にも言えなくて…。他人から『助けてあげる』って言われてるけど、助けてもらったら負けと考えていて。『自分でやらなきゃ』って、少しプライドの高い子でもあると思います」と話した。そして「本当に深く役と向き合わなければならなかったので、自分自身で役についてすごく考えました。自分と照らし合わせたり、考えたり。結構苦しい時もありました」と語った。

撮影前には、役やこれまでの自分自身について、共演者と本音でディスカッションしたといい「つらいことをあんまり人に話す機会がありませんでした…。過去の自分への誹謗(ひぼう)中傷のこととかを思い返してみると、『結構苦しいぞ』みたいな感じになってきて、泣きましたね」と明かした。

自身もバスケ部に所属する中学2年生。同世代にも「自分の思いを誰かに言ってみてほしいなって思います」と、伝えたいことがある。「僕もそうですけど、今の子たちって自分の思いを友達に隠しちゃったりすると思うんです。でもその苦しい気持ちをずっと抑えておくのって、それもまた苦しいと思います。だからそれを聞いてくれる人を見つけて、ちゃんと自分の思いを話してみようというのを、このドラマを通して伝えたいです」と言葉に力を込めた。

寺田は将来、獣医師になって動物を保護できる施設を建てることが夢の1つだ。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会でベスト16に進出したサムライブルーからも、多くの刺激をもらったという。「サッカー選手もそうですけど、それぞれ輝く部分があるってすごいなと思いました。僕も自分の好きなお仕事だったり、動物を助けるという夢で、世界に行けるんだと勇気をもらいました」と目を輝かせた。

来年については「気を抜かず、1つ1つの仕事に一生懸命心身共に取り組んでいきたいなと思います。ドラマだったり、これからやらせていただくものだったり、気を抜かずにその役になりきって頑張っていきたいです」と意気込んだ。