嵐の相葉雅紀(40)が今春放送のTBS系特別ドラマ「ひとりぼっち-人と人をつなぐ愛の物語-」で、主演を務めることが28日、分かった。同局系ドラマ初主演となる。

21年4月に亡くなった橋田壽賀子さんと同局系人気ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」でタッグを組んだ石井ふく子プロデューサー(96)が3年ぶりに手がけた新作。命日近くの放送で、橋田さんにささげる愛の物語となる。

相葉は「僕は橋田壽賀子先生の作品を観て育った世代なので、石井ふく子プロデューサーが僕に声をかけてくださったことは率直に驚きました」とドラマ出演への思いを明かした。さらに「初めてお会いしたときには『ずっと一緒にお仕事したかったのよ』と言っていただけてとてもうれしかったです。声をかけていただいた以上は全力で演じさせていただこうと思いました。歴史あるチームの一員になるということは緊張しますが、あたたかく迎え入れてくださったチームの皆さんの心の大きさを感じ、こちらも心があたたかくなりました」と語った。

劇中、相葉は、若くして両親と姉を亡くし、建築士の資格を持ちながらも水道メーター検針員として働く孤独な青年・杉信也役を演じる。信也が、姉とうり二つの女性に出会い、変化していくヒューマンストーリーだ。

作品について「僕自身も、光栄なことにこうやって作品をやらせていただくとき、応援してくださる視聴者の皆さんの声だったり、キャストの皆さんやスタッフの皆さんと作り上げる達成感は一人では感じることはできないと思っています。誰しもが一度は、信也のように『ひとりぼっちだ』と感じる瞬間があると思います。けれど、ちょっと周りを見てみたら、手を差し伸べてくれる人がいる。『ひとりぼっちではない』と、あたたかく伝えてくれるドラマです」とアピールした。

石井プロデューサーは「橋田さんとは作家の中で一番長いお付き合いになるのですが、けんかしながらずっとやってきて、それがいい方向に向いていろんなものをつくることができました。ですから、そういう作家とこれから巡り合えるかどうか、非常に不安な気がいたします」と橋田さんに思いをはせた。

作品に込めた思いとして「本作は、ある一人の人間がひとりぼっちになり心を閉ざし、人と話したくなくなるが、最終的にはやっぱり人に支えられて世の中を生きていて、今までも生きてきたんだと気づく物語です。これは橋田さんがいつも思っている言葉であり、心でした。それを私が今回、橋田さんをしのぶこのドラマにぜひ取り入れたいなと思って制作させていただきました」。

そして相葉について「とってもすてきな青年でした。本当に穏やかで、芝居でも、普段でも人と心で通じるような感じ。彼の周りには常に人が寄ってきて話していたので、私は彼とご一緒できて良かったと思っています。セリフも全部覚えてきていて、NGも出さなかったですね。あるシーンの撮影のとき『あぁきちっと芝居を心の中に入れながら、信也になりきって演じているな』と思いました」と振り返り「また一緒にやりたいなと思っています」と願った。

脚本は、10年NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」、13年NHK大河ドラマ「八重の桜」などで知られ、第28回橋田賞を受賞したこともある山本むつみ氏が担当する。

○…石井プロデューサーは橋田さんと、人気ドラマシリーズ「渡る世間は-」「おんなの家」などで約60年間タッグを組んだ。「橋田さんとは作家の中で一番長いお付き合いになるのですが、けんかしながらずっとやってきて、それがいい方向に向いていろんなものをつくることができました」と振り返る。今作について「(孤独な青年が)やっぱり人に支えられて世の中を生きていて、今までも生きてきたんだと気づく物語です。これは橋田さんがいつも思っている言葉であり、心でした。それを私が今回、橋田さんをしのぶこのドラマにぜひ取り入れたいなと思って制作させていただきました」と説明した。