竹内まりや「SEPTEMBER」、中森明菜「北ウイング」、上田正樹「悲しい色やね」などのヒット曲を手がけてきた、作曲家でアレンジャーの林哲司(73)が、前千葉県知事で俳優の森田健作(73)がパーソナリティーを務めるFM NACK5「青春もぎたて朝一番!」(日曜午前6時30分)とニッポン放送「青春の勲章はくじけない心」(月曜午後6時20分)にゲスト出演することになりこのほど、都内のスタジオで収録に臨んだ。

森田と同い年の林は、73年にシンガー・ソングライターとしてデビュー。今年50周年を迎える傍ら、作曲家、アレンジャーとして数々のヒット曲を生み出してきた。

番組の冒頭、森田から「以前、会ったことがあったとばかり思っていましたが、初めてお会いするんですね」と言われると、林は「お互いに、この世界が長いので、どこかですれ違っていたのかもしれませんが、森田さんの青春ドラマは、よく見ていたので、初めてのような感じはしませんね」。一方、森田も「なじみのある曲ばかりであらためて驚いた。日本のポップスに大きな影響を与えてきたのも理解できる」と感心しきりだった。

林は80年代は菊池桃子や杉山清貴とオメガトライブなどのプロデューサーとして知られた。さらに「ふたりの夏物語」も大ヒットし、作曲家としての人気を不動のものとした。

「あの時、(作詞の)康珍化さんからJALのキャンペーンソングということで『オンリー・ユー 君に囁くふたりの夏物語』というキャッチコピーを手渡され、1日で曲をつけ、アレンジをし、オケまで録音した。スタジオでは『CM関係者が出来上がりを待つ』といった感じで、本当に電光石火の制作だった」と振り返った。

今年は50周年。「曲作りで最初に参考にしたのは加山雄三さんだった」と言う。「ロックからロカビリー、カントリー、それにハワイアンまで、とにかく加山さんのジャンルを超えた幅広さが魅力だった。聴き込んでいる中でバラエティーの豊かさのようなものが培われていったのだと思う」と振り返る。その一方で「ラジオから流れてくる、さまざまな海外の音楽も曲作りに役立った」と話した。

番組では森田のパートナーを務める酒井法子(51)が「SEPTEMBER」をアルバムでカバーしたことを明かすと、林は「酒井さんには、何曲か書いたように思うのですが、どうも没にされたみたいで」と苦笑い。その上で「酒井さんの歌を聞いたら書いた時の心境に戻りました。最初は太田裕美さんが歌ったら似合うかなと思いましたが、まりやさんに歌ってもらったらピッタリで…。デビュー前のEPOさんがコーラスで参加してくれていたんです」と懐かしんだ。

3月29日には、デビュー50周年を記念したアニバーサリー本の発売も決まり、4月1日には東京・恵比寿ガーデンホールで出版記念ライブ「SONG FILE SPECIAL with 杉山清貴 菊池桃子」が行われる。トークショーの他、ライブも予定している。

「50年も続けられるとは思ってもなかった」という林に、森田は「今度、ぜひ一緒にステージをやりたい。同世代だし共通するものも多い」とラブコールを送っていた。

放送はNACK5は2月5日と12日、ニッポン放送は6日放送。