トルコで発生した大地震をめぐり、SNS上では“地震雲”の目撃情報が拡散され話題となっている。この雲の“正体”について気象学者で雲研究科の荒木健太郎氏が7日、ツイッターで解説し、「雲は地震の前兆にはなりません」とした。

荒木氏は、大地震発生前にトルコ北西部で目撃されたという“奇怪な雲”について報じた記事を引用し、「先月トルコで見られた雲を『地震雲』だという投稿も見かけますが、これは『吊るし雲』です。これは山の風下で発生する大気波動が上空に伝わり、波に沿って湿った空気が上昇してできたレンズ状の雲です。長時間持続しやすく、多層構造のために斜めから太陽光が当たってバラのように見えています」と説明。人工地震ではないかと憶測する声にも触れ、災害時のSNSリテラシーについてまとめた資料をアップして「陰謀論やデマの投稿を見かけても相手にしないようにしましょう」と呼びかけた。

続く投稿でも「何度でも言いますが、雲は地震の前兆にはなりません」と強調。「巷で『地震雲』と呼ばれることの多い雲は全て気象学で説明できる子たちで、雲の見た目から地震の影響等を判断するのは不可能です」と断言し、「地震が不安なら日頃からの備えを確認しましょう。雲は愛でましょう」と訴えた。