吉本興業は17日、大崎洋会長(69)が同社を退社することを発表した。6月29日の株主総会で正式決定する。すでに4月27日付で会長からも退いていたといい、今後は2025年日本国際博覧会協会の「大阪・関西万博催事検討会議」の共同座長に就任する。

ダウンタウンらを見いだし、映画祭や放送局の開局など、吉本をお笑いの枠を超えた会社へと成長させた敏腕経営者が大きな決断を下した。

同社は「1978年4月以来、温かいご厚情を賜りましたこと心より御礼申し上げます。引き続き倍旧のご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます」とつづった。

大崎氏は78年に吉本興業に入社し、82年開校の芸人養成所「吉本総合芸能学院(NSC)」1期生だったダウンタウンのマネジメントを務めるなどして活躍。09年に社長へ就任すると、同年から始まった「島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭」への協賛、全国各地への劇場展開などを推進。近年はボーイズグループのマネジメントや22年3月開局のテレビ局「BSよしもと」立ち上げなどにも尽力し、吉本のエンタメ界での存在感を強めてきた。

これまでのインタビューなどでは度々「70歳で一区切り」などと発言していた。

関係者によると、現時点で万博後に吉本に戻る予定はないという。有言実行を果たし、“お笑い界のガリバー”へと成長した会社を後進へと託す。

大阪・関西万博を運営する公益社団法人2025年日本国際博覧会協会も17日、「大阪・関西万博催事検討会議」の設置を発表。万博にふさわしい催事企画の検討を目的に、各分野の専門知識を有した人材を委員とする会議で、華道家元池坊の次期家元・池坊専好氏と大崎氏を共同座長とし、23年6月をめどに、第1回会議を開催するとした。委員にはデザイナーのコシノジュンコ氏らが名を連ねている。