北野武監督(76)6年ぶりの新作映画「首」(11月23日公開)が23日(日本時間24日)、フランスで開催中のカンヌ映画祭で世界最速で上映された。

世界的に人気が高い同監督の参加は、「アウトレイジ」がコンペティション部門に出品された10年以来13年ぶりで、1068席のチケットは即完売。上映後は総立ちの観客によるスタンディングオベーションが5分に及び、同監督は上階の観客にも手を振り「もっと良い作品作って、また来ます」と誓った。

「首」は北野監督にとって、03年「座頭市」以来20年ぶりの時代劇。織田信長が跡目をエサに謀反を起こした家臣の捜索を命じ、家臣の欲望と策略が入り乱れ本能寺の変へ向かう流れを、主従の間の「愛と死と暴力が混在した好意」(同監督)を交え独自の解釈で描いた。構想を30年温める中、19年に原作となる自身初の歴史長編小説を出版した。

北野監督は上映後「編集やって見てたんで寝ちゃうかなと思ったけど、まぁまぁ。細かいところが受けたので次回作はお笑いやんなきゃいけないな」と手応えを語りつつ「よくぞ、やっていただきました。お礼しかない」と西島秀俊(52)加瀬亮(48)中村獅童(50)浅野忠信(49)大森南朋(51)ら出演者に感謝した。