元タレントの上岡龍太郎(本名・小林龍太郎)さんが5月19日、大阪市内の病院で、肺がんと間質性肺炎のため亡くなったことが2日、明らかになった。81歳だった。

上岡さんは生前、プロ野球・阪神の熱烈なファンとして知られた。1985年(昭60)に阪神がセ・リーグ優勝が決まった際、ファンが道頓堀川にカーネル・サンダース像を投げ込んだことが話題になったが、それ以降、阪神の成績が低迷した。

そのことを受けて、上岡さんが探偵局長(司会)を務めたABCテレビ「探偵! ナイトスクープ」の番組内で、88年3月に依頼の1つとして「道頓堀川に沈んだカーネル・サンダースを救え!」という企画が放送された。上岡さんは「サンダース像を救出し、払い清めない限り阪神の優勝は一生、望めない」と力説。同4月まで繰り返し、番組の企画として潜水調査を行ったものの発見できなかった。番組をきっかけに「カーネル・サンダースの呪い」という都市伝説が広く流布された。

日本KFCホールディングスの関係者によると、道頓堀川に投げ込まれたカーネル・サンダース像は、道頓堀店(現在は閉店)に設置されていた立像だという。阪神のセ・リーグ優勝の際、熱狂した2~3人のファンが当時の主砲ランディ・バースに見立ててカーネル・サンダース像の胴上げを始めた。同社の社員が止めたものの間もなく10人ほどのファンが再度、胴上げをした。通りはファンで埋め尽くされており、従業員の止める声も届かないまま、カーネル・サンダース像は橋まで運ばれ、そのまま道頓堀川に投げ入れられてしまったという。

その後、カーネル・サンダース像は、2009年(平21)3月10日に道頓堀川から発見された。12年7月27日にはKFC阪神甲子園球場店に、翌13年3月28日には東京・渋谷区恵比寿の本社に設置され、現在は同社関西オフィスに設置されている。