宝塚歌劇団月組の178センチ長身スター、礼華はるが14日、兵庫・宝塚バウホールで、初主演作「月の燈影(ほかげ)」の初日を迎えた。

スラリとした立ち姿の礼華が、友との絆、市井の悲哀を描いた和物に臨んだ。15年入団。前トップ珠城りょうの退団公演、現トップ月城かなとの本拠地お披露目の新人公演に主演した9年目の大型スターにとって、バウ初主演作となった。

作・演出は大野拓史氏。舞台は江戸時代後期、歓楽街として独特な発展をした「江戸」に加えられた新興地。欲望がうずまく危険な“川向こう”大川の東岸へ渡った幸蔵が、幼なじみの次郎吉と再開し、絆を再確認していく。

礼華は、町火消しから“川向こう”へ渡ってばくち打ちとなり、街を仕切る幸蔵にふんして熱演。1年後輩102期生の彩海せらが町火消しの次郎吉を好演した。

開幕前日の13日には、通し舞台稽古で最終確認。礼華は「明日の初日から千秋楽まで、健康第一で走り抜けて参りたいと思います」と誓いを口にした。

今作は02年、彩吹真央、蘭寿とむ主演の花組公演として上演され、その再演。今回、演技指導に彩吹も入り、礼華、彩海のコンビで、江戸の粋、悲哀を表現した。

街芸者「喜の字」は、男役として入団し、娘役に転向した天紫珠李(あまし・じゅり)があでやかに表現。その弟新助には、21年入団の3年目、一輝翔琉(いちき・かける)が抜てきされ、はつらつとした演技を見せた。

公演は、25日まで。