脚本家の倉本聰氏(88)が、88年の「海へ~See you~」以来35年ぶりに映画の脚本を手がけた「海の沈黙」(若松節朗監督、来年公開)の製作報告会見が16日、撮影が行われている北海道小樽市で行われた。

主演の本木雅弘(57)が演じる、画壇から追放され世界的な贋作(がんさく)事件の犯人と疑われる天才画家・津山竜次のもう1つの顔・彫師のモデルを務めるアザミは、菅野恵(28)が演じる。

菅野は、倉本氏が脚本を手がけた19年のテレビ朝日系ドラマ「やすらぎの刻~道」で堺(根来)里子を演じたが「私自身、映画に出演すること自体が初めて」と明かした。本木、小泉今日子(57)中井貴一(61)と会見に並び「まさか、この並びに私がいることになるとは思っていなかった。とんでもない経験をさせていただいていると思う。諸先輩方、監督、先生それぞれが作品にかける思いを、身をもってヒシヒシと感じている」と率直な感想を語った。

そして「私に、どこまで出来るかな? と不安になりながらも、たくさんの方に『そんなこと言うんじゃない』と怒られて、ここまで来た。あとはやるしかない」と意気込んだ。倉本氏は「汚れのついていない、きれいな女優」と評価した。【村上幸将】