“令和のデヴィ夫人”ことモデルの小浜桃奈(20)が1日、東京・シネマート新宿で行われた映画「札束と温泉」(川上亮監督)公開記念舞台あいさつで「女優のオーディション、書類すら通ったことなかった。(製作陣に)会ってもらえたら、もしかしたら、いけるかもしれないと自信があった」と胸を張った。

劇中で、関根ひかる役を演じた小浜は、オーディションで役を勝ち取った。「最初にオーディションの話をいただいて、書類が通りましたと連絡があって、謎の自信が湧いてきた。4役、せりふを覚えてくださいと言われて…。ちゃんと覚えて演じ分けたら、いけるかもしれない、チャンスだと思った」と経緯を振り返った。

ただ、オーディションでは「会場で演技して、正直落ちたと思った。監督、プロデューサーを前に勝手に自分語りをし過ぎちゃって、協調性がない…。やらかしたと思った」と不合格を覚悟した。それが、大学の授業中にマネジャーから電話が入り「授業中、電話が来ることがないので緊急事態だと思って出たら『本当に決まりました』と。授業なんて、どうでも良くなって勝手に教室から出た。こんなチャンス、めったにないだろう。全力で挑ませていただいた」と笑いながら振り返った。

小浜が、まくしたてるようにしゃべっていた最中に、川上亮監督が「ちょっとだけ口を挟んでいいですか?」と割って入った。「オーディションで、演じる前から、このしゃべり。印象はメチャクチャ悪かった。いかにも芸能界に慣れている感じ。感じ悪いなと思った」と、小浜をバッサリ切り捨てた。ただ「演技されたら非常に上手で。完全にせりふを覚えていたので、その時は渋々。悔しいけど、一番、うまかったので」と印象自体は悪かったものの、肝心の芝居がうまかったので、小浜を合格させたと明かした。

「札束と温泉」は、高校の修学旅行で訪れた温泉宿で女子高生たちが、ヤクザの愛人が持ち逃げした札束の詰まったバッグを発見する。カネを取り戻すために現れる殺し屋、別の生徒からゆすられている担任教師。複数の思惑が絡まり、温泉宿を舞台に、混乱が混乱を呼ぶクライム・コメディー。

小浜は自分にトークの順番が回ってくるたびに、マシンガンのようにしゃべった。最後のあいさつでも「最後まで(演じた)ひかるらしく…私は最後まで自分のことを全面的にアピールして帰りたい」と言い放った。これには主演の沢口愛華(20)ら共演陣も壇上で思わず笑った。小浜は「やっぱり、ひかるちゃんは、私に似ているところがある。自然に役に入りやすく、監督といろいろ話をしながら、より良いひかるちゃんを作ることが出来た。結構、自信を持って、たくさん見て! と言うことができる」と胸を張った。