ギターと歌の音曲漫才で知られる名物コンビ、平和ラッパ・梅乃ハッパの3代目平和ラッパ(へいわ・らっぱ、本名生井博司=なまい・ひろし)さんが5月5日、呼吸器不全のため大阪市内の病院で亡くなっていた。79歳。吉本興業が11日、発表した。

大阪府出身で1987年10月に梅乃ハッパと、平和ラッパ・梅乃ハッパを結成し、ギターと歌の音曲漫才で劇場のみならず全国各地で活躍した。97年に「文化庁芸術祭優秀賞」、99年に「大阪文化祭大阪文化祭賞」、04年に「大阪舞台芸術賞奨励賞」を受賞。

出番前には毎回欠かさずネタ合わせを行い、舞台に真摯(しんし)に向き合う姿勢は若手の手本となっていた。

近年は体調と相談しながら舞台に立っており、今年2月9日に大阪・なんばグランド花月で行った「ノスタルジック演芸 vol.4」が最後となった。葬儀はすでに近親者のみで執り行った。

3代目ラッパさんは、故藤山寛美さんらとともに「大阪のアホ芸」を代表していた2代目平和ラッパさんにあこがれ、62年に入門。ただし、師匠の「アホ芸」ではなく、オリジナルでギター漫才を貫いた。

トリオやコンビの解散をへて、3代目平和ラッパを襲名し、6代目平和日佐丸を継いだ相方と「平和ラッパ・日佐丸」を復活。そのコンビも解消し、87年に梅乃ハッパと「平和ラッパ・梅乃ハッパ」を組み、吉本興業入りした。