吉永小百合(78)が31日、東京・丸の内ピカデリーで行われた主演映画「こんにちは、母さん」(山田洋次監督、9月1日公開)完成披露試写会に登壇した。

壇上で、タイトルにちなみ「最近、こんにちはをしたものは?」と質問が出た。吉永は、今作で大泉洋(50)と母と息子を演じるが、開口一番「恥ずかしいですね。私は『こんにちは、赤ちゃん』です」と切り出した。そして「大泉さんの前の作品で息子をやってくださった…何だろう? 某かずなりさん、かずなりさんという、ご本名なんですけど、赤ちゃんに『こんにちは、赤ちゃん』とお会いすることができました」と言い、笑みを浮かべた。

吉永は、それ以上、詳細は語らなかったが、同じ山田監督が手がけた15年の主演映画「母と暮せば」で母と息子を演じた、嵐の二宮和也(40)のこととみられる。二宮は所属のジャニーズ事務所を通じ、21年3月に長女、22年に11月には次女の誕生を発表している。一方、吉永は21年12月に日刊スポーツの取材を受けた中で「『母と暮せば』公開後も1年に何度か会っています」「嵐のコンサートは、マネジャーさんからお声をかけていただいて15~18年まで4年、続けて行きました」と明かすなど、二宮と親交を深めてきた。二宮を「和也さん」と呼ぶことについても「『和也さん』と呼ぶようになったのは…みんな『ニノ』と言っていらっしゃるのだけど、何かちょっと違うし。やっぱり息子だし、名前を呼びたいなと思って。二宮さんは、普段は『小百合さん』と言ってくださるから」と説明している。

吉永は「今度は大泉さんのお嬢さんは小学生、中学生? ぜひ、お会いしたいです」と大泉に呼びかけた。大泉は「あぁ…ぜひ」と慌てつつも、笑顔で返した。

「こんにちは、母さん」は、日本を代表する劇作家、演出家で劇団「二兎社」を主宰する永井愛氏の、同名の人気戯曲が原作。妻から離婚を迫られ、人生に悩む会社人間の息子が2年ぶりに実家に帰ると、母が恋人らしき存在がいるなど生き生きしており、自分の人生を生き直そうと共同生活する物語。01年と04年に東京・新国立劇場で上演されると、07年にはNHKでドラマ化。舞台、ドラマともに、加藤治子さんと平田満が母子を演じた。

吉永は劇中で74歳の母・神崎福江、大泉は47歳の息子・昭夫を演じる。昭夫が大会社の人事部長として神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘との関係に頭を悩ませる中、久しぶりに東京下町の実家を訪れると、かっぽう着を着ていたはずの福江は、あでやかなファッションに身を包み、恋愛までしているようで生き生きと生活していた。昭夫は久々の実家にも、自分の居場所がなく戸惑うも、おせっかいがすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う母と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされていく物語。