日本公開中の映画「ヴァチカンのエクソシスト」のプロデューサーで、日本のプロレスの熱心なファンとしても知られるジェフ・カッツ氏が、米国で公開中の映画「バービー」と「オッペンハイマー(原題)」をめぐる原爆ファンアート騒動について、当事者らに代わって謝罪した。

SNS上では、着せ替え人形の実写映画「バービー」と、原爆を開発した物理学者を描いた映画「オッペンハイマー」をコラボさせ原爆投下を思わせるイメージなどを使ったファンアートが多数作成・投稿され、「バービー」の米国のX(旧ツイッター)公式アカウントがその一部に好意的なコメントをしたこともあって、日本語のアカウントなどから批判が相次いでいる。

カッツ氏は日頃、日本のプロレスに関して愛情たっぷりに日本語でつづったツイートを連投しているが、今回の騒動を受け、「このようなことが起こって大変申し訳ございません」と代わって謝罪。続けて「アメリカの若者は歴史認識がなく、他人の感情に対して失礼です」と指摘し、「私は日本の人々に愛を送り、私は断固として反戦であることを表明したいと思います」とあらためて自身の考えを示した上で、「日本が味わった苦しみは、世界のどこでも二度と繰り返してはなりません。戦争ではなく愛を!」と訴えた。

日本で「バービー」を配給する(8月11日公開)ワーナー・ブラザースジャパン合同会社は7月31日、「ファンのSNS投稿に対し行われた、アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾なものと考えており、この事態を重く受け止め、本社にしかるべき対応を求めています」との声明を発表した。その上で「一連の反応について、不快な思いをされた方々には、お詫び申し上げます」と謝罪している。