17年以来、6年ぶりの出演となったシンガー・ソングライター大黒摩季(53)は「今年こそ、来年こそ、みなさんにまぶしい夏が来ますように」とシャウトした。「あなただけ見つめてる」「チョット」「DA・KA・RA」「夏が来る」と往年のヒット曲を連続披露。「ら・ら・ら」では、サビを観客と一緒に歌唱して最高の一体感を作った。

「あまりに暑いのでスイカになって来ました」とスイカをイメージしたという緑色の衣装で登場した。観客から笑いを誘いつつ「思い出を作りたいから、ここから撮ってもいいかな」とステージ上から観客席をスマートフォンで動画撮影し始めた。この演出に観客はさらに大盛り上がり。勢いそのままに最後の曲「熱くなれ」の歌唱途中にカウントダウンが始まり、歌い終わりと同時に花火が打ち上がった。「我慢したみんなへのご褒美だよ。今日はありがとう」と感謝した。

往年のヒット曲がずらりと並んだセットリストに、昨年デビュー30周年で作ったアルバム曲「君に届け」を組み込んだ。同曲は07年に亡くなったZARD坂井泉水さんを思って作ったという。「泉水ちゃんと約束したんですよ。私が曲を書いて、泉水ちゃんが詞を書いて、いつかライブしようねって。それを30周年の時に思い出して。ビーイングのバンドメンバーだけを集めて、泉水ちゃんならこうするなっていう曲を作ったんです」。坂井さんも花火が好きだったといい「生きていたら今日も一緒に出ていたかも。あの人、こういうの好きだから。だからこの曲だけは天に向かって。これだけは」と時折、天を仰ぎながら歌唱した。

コロナ禍も明け、さまざまな規制が緩和されて開催された花火大会。「やっと夜が明けた感じだね。コロナごと吹き飛ばせという感じ」という思いでステージに立った。自称「快晴確率98%の晴れ子」が、台風7号の影響を感じさせない晴天のもと、花火に負けない熱いライブパフォーマンスで、花を添えた。

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