宝塚歌劇の月組新人公演「フリューゲル-君がくれた翼-」が7日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、新人最終7年目の103期生、瑠皇(るおう)りあが悲願の初センターに立った。

瑠皇は17年入団で、大阪出身。最後の新人公演で初主役を得て、出番は、せり上がりからスタート。冒頭、音声などのトラブルがあったが、仲間とのアドリブで乗り越え「(これで)心がほぐれました」と振り返った。

舞台と客席をつなぐ銀橋での歌唱、主演だけの“トップライト”を浴び「すごくまぶしくて、夢見心地で歌わせていただきました」と言い、笑顔も弾けた。

今作の本公演は、月組トップ月城かなと、トップ娘役海乃美月の芝居巧者コンビによる主演作。ベルリンの壁崩壊前夜が舞台。東ドイツの軍人ヨナスが、西ドイツの歌手ナディア・シュナイダーを招いたコンサートの責任者に任命され、自由奔放なナディアに振り回されつつも、次第に心を通わせていく様を描く。

瑠皇は、役柄を「軍人としての堅さ、心に壁がある状態から、心の解放までを繊細に演じないといけない。その段階が難しかったので、東京(公演)への課題にしたい」。

本役のトップ月城を稽古場から目で追い「所作ひとつひとつを考えて作られている」と学んだ。その月城からは「ヨナスとしての生き方をちゃんと感じて演じられたらいいね」と背を押されたと明かした。

相手役ヒロインは花妃舞音(はなひめ・まのん)。4年目の106期生は、2年目だった22年「今夜、ロマンス劇場で」で新人初ヒロインに抜てきされて以来、2度目の新人ヒロインとなった。

花妃は「今までにやったことがない役で、すごく幸せで新鮮でした。わがまま(な場面)は、嫌らしく見えちゃいけない。宝塚らしく。心の壁を壊す太陽のような存在で」と意識。本役の海乃からは「エネルギー、責任をもって」とアドバイスされたと話していた。

東京宝塚劇場での新人公演は10月26日に予定されている。