英国のヘンリー王子(39)の妻メーガン妃(42)が、先月28日に米議会最高齢となる90歳で死去した民主党の重鎮上院議員ダイアン・ファインスタインさんの議席を埋める後任候補に浮上していると、英デイリー・メール紙が報じた。女性初となる米サンフランシスコ市長を務め、上院議員の在職期間は女性として史上最長の31年となるファインスタインさんは、女性政治家のパイオニア的存在として知られていた。この1年ほどは健康問題を抱え、2024年の上院選には出馬せずに引退すると発表していた。ワシントンDCの自宅で亡くなったことを受け、代わりとなる後任をカリフォルニア州のニューサム知事が今後指名することになっている。同知事は、過去のインタビューでファインスタインさんの後任には黒人女性を選ぶつもりだと話していることが伝えられていた。

ニューサム知事に近い民主党の大口献金者は同紙に、妃が後任に指名される可能性は低いものの昨今の米国政治の狂気の中ではありえないことではないと話しており、かねてから政界進出に野心を持っているといわれるメーガン妃が、ファインスタインさんの残りの13カ月間の任期を務める可能性に言及。バイデン米大統領が、2020年の大統領選でランニングメイトに上院議員だったハリス副大統領を指名した際にも後任に妃の名前が上がったことがあったと伝えている。最終的にニューサム知事は別の候補者を選んだものの、妃とヘンリー王子は1時間のバーチャル会談を知事と行っていたという。

メーガン妃は、最終目的である米大統領選出馬に向けて草の根運動を展開し、民主党幹部とのネットワーク作りを行っていることなども伝えている。夫妻は、自分たちが設立したアーチウェル財団を通じて、2007年から11年にかけてオバマ元大統夫人の報道官を務めた人物が代表を務めるPR会社に10万ドル以上支払っていることなども過去に報じられている。

来年11月に行われる上院選挙戦にすでに名乗りをあげている候補を指名することは公平性に欠けることからできないため、同知事は残り13カ月間だけ任期を遂行でき、なおかつ次の選挙で有力候補となっている経験豊富な政治家の誰とも敵対しない有色人種の女性を見つける必要があり、その条件に当てはまる数少ない候補として妃の名前が取り沙汰されていると同紙は伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)