ゴジラ生誕70周年記念映画「ゴジラ-1.0」(ゴジラマイナスワン、山崎貴監督)が3日、全国522館で公開された。この日、都内のTOHOシネマズ日比谷で初日舞台あいさつが行われ、俳優陣は事前情報を一切、流さない方針で初日までの間、徹底した情報管理で何も言えなかったと吐露した。

司会のフリーアナウンサー笠井信輔(60)から、言いたくて言えなかったこと、今、言いたいことは? と振られると、山田は公開前に受けた取材で「(劇中に)ゴジラが出ますとしか言えない」と振り返り、笑った。神木は「当たり前だろと…」と突っ込んだ。そして「『どんな人ですか』『言えません』というくらい徹底した制限の中で、どう伝えるか。僕で言えば、新生丸に乗るシーンと言ったら、まだ言えないですと。海もダメですか? と試行錯誤した」と、徹底した情報管理がなされ、何も言えなかったと振り返った。

劇中で、主演の神木隆之介(30)が演じた、戦争から荒廃した日本に生還した敷島浩一は、生きる糧を得るため職探しをする。その中で、佐々木蔵之介(55)が演じた秋津■治が艦長を務める、戦後処理の特殊任務を請け負う船「新生丸」で働くようになる。そこには、吉岡秀隆(53)が演じた戦時中、海軍工廠(こうしょう)で兵器の開発に携わっていた野田健治、山田裕貴(33)が演じた見習い乗組員が海に出て、海上でゴジラと対峙(たいじ)する場面がある。

神木は「改めて言いたい。海に出たところは、僕ら本当に海に出ています。『海もVFX、すごかったですね、船も』と言われますが、本当に10日間…天候で苦労し、自然と戦いながらゴジラを撮りましたと、やっと堂々と言える」と胸を張った。脚本も手がけた山崎貴監督(59)がVFXの第一人者のため、映画を見て海や波は作られた映像だと思い込んだ関係者が多かったという。佐々木が「プールで撮ったみたいに言われる」とボヤくと、神木は「すごい波の感じも再現できていて…って…いやいや本物です。そこだけは誤解なきように」と訴えた

新生丸が海上でゴジラに追いかけられ、敷島らが機関銃で応戦するシーンがある。佐々木が「ジョーズのように、ゴジラが追いかけてくるところがある。(試写を見て)メチャクチャ近くて、想像より大きかった」と笑った。その上で「僕は衣装合わせの時『一応、1級船舶免許を持ってます。大船に乗った気持ちで』なんて言いましたけど、あの木造船はすごかった。転覆するかと思って」と過酷な撮影を振り返った。

実際には、カメラを設置し新生丸を追いかける“ゴジラ船”とのチェイスだったが、吉岡は「あそこ、まだ山田君は捕まれるんですけど、僕の所にはない。機関銃を撃っていた神木君から『秀さん、気を付けてくださいね。落ちたら死にますよ』って。これはCGだと思われたくない。本当にやってるんですから!」と船から落ちたらアウトという危険な撮影だと訴えた。神木も「(ゴジラ船が)フルスロットルで速度も速いから、本当に命懸け」とうなずいた。

 

■=さんずいに、作りは上が土2つ、下が円