俳優森田健作(73)がパーソナリティーを務める、ニッポン放送「青春の勲章はくじけない心」(月曜午後6時20分、20日放送)とFM NACK5「青春もぎたて朝一番!」(日曜午前6時30分、26日放送)の収録が、このほど、沖縄・名護のブセナテラスで行われた。

森田のデビュー55周年を共演の俳優京本政樹(64)、女優酒井法子(52)らが祝い。ゲストとして玉城デニー沖縄県知事(64)が駆けつけた。

デニー知事は「森田さんのバイタリティーには見習うことが多い。これからも森田健作節を聞かせて欲しい」とエールを送った。18年の知事当選以来、在京のメディアに出演するのは今回が初めて。

森田とデニー知事はタレント仲間として、森田が千葉県知事時代には知事としても親交を深めてきた。

デニー知事は「9歳の頃、黛ジュンさんと共演していた映画『夕月』が最初でした。あの時はボクサーの役でしたよね。とても印象に残っています」。森田は「知事にデビュー作の映画を観ていただいていたとは光栄です。知事には、いろいろお世話になってきましたが、最近のニュースを見ていると、苦渋に満ちた顔ばかりが出てきて…。やはり知事には優しい笑顔が似合っていますよ。今回は、こうして会えて、優しい笑顔を見ることが出来て本当によかった」と笑顔を見せた。

番組では、デニー知事の生い立ちから、ラジオのパーソナリティーとして人気を博しタレント活動に入るきっかけになったことなどを紹介している。また、知事就任後も趣味だった音楽は続けていて、19年には「フジロック」にも現職の知事としては初めて出演。CCR(クリ-デンス・クリアウオーター・リバイバル)の「雨を見たかい」とボブ・ディランの「All Along the Watchtower(見張り塔からずっと)」の2曲を熱唱し会場を沸かせた。

デニー知事は「あの時の熱気と感動は今でも忘れられません」と振り返った。

今月27日にデビュー55周年を迎える森田に、デニー知事は「55年。タレントとして、さらに参議院、衆議院、そして県知事としても活躍し、いまタレントに戻られていますが、森田さんの生き方は素晴らしい」と敬意を示した。

森田は「過去を振り返ると早く感じる。ただ、自分の歴史の中で俳優と政治は全く違うので比較は出来ないが、これほどまで長くできるとは夢にも思わなかった」と振り返った。そして「運が良かったこともある。ただ、(千葉県)知事時代は何から何まで全部見ることなんて出来ない中で県の職員に助けられたことは多かった。素晴らしい職員に囲まれてきたことは今でも感謝している。とは言っても、これだけは誰にも負けないのは『俺は森田健作だ!』ってことですよ」と笑った。

小学生の頃から「モリケンありき」だったことを自負するのは「青春ドラマ」で森田のファンとなった京本は。「森田さんは、まだ新人だった僕に気軽に声をかけてきてくれたんです。とにかく格好をつけない。そのスタイルは当時から何も変わらないですね。常に有言実行ですし、毎月会うたびに若くなっている」。

酒井は「いつも応援してくれて、娘のようにかわいがってくれる。まさか沖縄で森田さんの55周年をお祝いできるなんて夢にも思っていなかったので、今は幸せでいっぱいです」と祝福した。

森田と沖縄は関係が深く、1996年(平8)の橋本政権時代には「沖縄開発政務次官」も務めた。当時は、全日空と組んで運賃半額の「パラダイス切符」を導入したり、沖縄での「夕日マラソン」などを手がけた。「その時の夕日マラソンが、現在のアクアラインマラソンにつながった」と政治家としての歩みを振り返った。そして「沖縄はもっと観光に力を入れてほしい」と提案。デニー知事は基地問題とは離れた取り組みとして「観光は平和へのパスポート。世界から選ばれる『持続可能な観光地の達成』に向け、航空会社や旅行会社などとの連携強化に取り組んでいく」と話した。

現在、名護市と今帰仁村(なきじんそん)にまたがる「オリオン嵐山(あらしやま)ゴルフ倶楽部」の跡地には、アジア最大のテーマパークの建設が始まっている。広さ約60万平方メートルで東京ドーム約21個分の広さになる。デニー知事は「テーマパークができれば、宿泊などで北部地域での滞在時間が延び、沖縄全体として相乗効果が見込める」と話した。