サザンオールスターズ桑田佳祐(67)シンガー・ソングライター松任谷由実(69)のコラボシングル「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)2023」が12月20日に発売されることが25日、分かった。松任谷作詞、桑田作曲で37年前に制作された楽曲をアレンジ、リメーク。「桑田佳祐&松任谷由実」名義でのリリースは初、デュエット歌唱も初となる。対話や歩み寄りの大切さを歌った1曲となった。

18年のNHK紅白歌合戦での共演シーンが印象に残る桑田とユーミンだが、これまでに2人の名義で楽曲をリリースしたことはなく”初タッグ”が実現した。「Kissin'-」は、桑田が企画し86~87年に日本テレビ系で放送された特別音楽番組「メリー・クリスマス・ショー」のために制作された。作詞をユーミン、作曲を桑田が手がけたが、当時、2人での歌唱はしておらず、初デュエットでもある。

明るく希望に満ちた原曲の世界観をそのままに、リメークした新バージョン。ユーミンの「恋人がサンタクロース」、桑田の「波乗りジョニー」を互いに歌い合う部分もあり、おしゃれで、リスペクトし合った楽曲となった。

紅白共演後、19年にユーミンがサザンの東京ドーム公演をおしのびで訪れるなど交流が続いていた。タッグのきっかけは21年秋、ユーミンが声をかけたことだった。ただ、サザンは今年のデビュー45周年に向け、ユーミンも昨年のデビュー50周年に向けた多忙な時期。なかなか具体化しなかったが、今年4月に一緒に食事をし一気に動き出した。

世界各地で続く争いを憂う気持ち、対話や歩み寄りを大切にしたいことなどを話してきたという。7月に制作開始、レコーディングは8月に行われた。サザンの原由子もコーラスアレンジ、バックコーラスとして参加した。楽曲の収益の一部はセーブ・ザ・チルドレンに寄付される。

また、27日午前0時に先行配信され、12月20日発売の松任谷の50周年記念コラボベストアルバム「ユーミン乾杯!!」にも収録される。

▼桑田佳祐コメント 私が敬愛する大先輩、ユーミンこと松任谷由実さんから「何か2人で一緒にコラボレーションするのはどう?」とご提案をいただき、今回のプロジェクトは始まりました。

久しぶりにゆっくりお話をさせていただく中で、世界各国で起きているさまざまな出来事に対しての憂いや、次の世代に向けて、今の自分達に何が出来るかといった話にもなりました。

ユーミンさんの50周年を純粋にお祝いしたいという気持ちとともに、何か世の中に明るい話題(メッセージ)を届けることが出来ないか? という思いが湧き上がり、今回この「Kissin' Christmas」をリメークし、デュエットするに至りました。

ユーミンさんが書かれたこの楽曲の歌詞は、オリジナル制作当時のものと基本的には変わりませんが、今改めて聴くと、現代を生きる我々の心にも響く言葉が詰まっています。多くの言葉を尽くすよりも、我々音楽人に出来ることはただ、歌を作り届けることに限られます。世の中全体に「仲良くしようよ!!」というメッセージを届けるべく、まずは私とユーミンさんが心を1つに、三十数年の時を超えてこの曲を歌わせていただきました。

ユーミンさん、50周年、心よりおめでとうございます! これからも仲良くしてね!!!

▼松任谷由実コメント 最初に、私の方から桑田くんにお誘いの手紙を書きました。本当に久しぶりに、新録音の「Kissin' Christmas」で共演できて、心からうれしいです。サザンオールスターズ45周年でご多忙の中、こちらへもお祝いだなんて、もったいなさすぎます。

豊富なアイデアの実現とレコーディングの精度の高さ。さすが桑田くんは優秀な制作チームを率いていると、脱帽したりため息が出たり。とても刺激になりました。

「Kissin' Christmas」、大好きな曲。そう言える幸せ。 ~今年の出来事にすべてきみがいる~ 今までの自分の詞の中でも大好きなこのフレーズは、あの素晴らしいメロディーとリズムが運んで来てくれました。

今回っているアリーナツアー、根底に流れているテーマには”反戦”も含まれています。桑田くんとご飯を食べながら今の世の中に起きているさまざまな出来事の話もしました。私たち2人のコラボレーションによって、世の中が少しでも明るくポジティブになるよう、みなさんの背中を押せたらそんなうれしいことはありません。未来がより良い世界であるために。

最後にサザンオールスターズ45周年、本当におめでとう!

◆18年NHK紅白歌合戦VTR サザンオールスターズは最終歌唱者として登場。桑田は「希望の轍」「勝手にシンドバッド」の2曲を歌い、「勝手に-」では「胸さわぎの腰つき~」と歌いながら「サブちゃん!」と北島三郎に呼びかけると、出演者全員がステージに登場。ユーミンが踊りながら桑田に近づくと、桑田は「胸さわぎの腰つき~」と歌いながら、何度もユーミンの肩や腰を抱き寄せた。「ラララララユーミンさん」「ラララララ桑田君」と歌い合い、ユーミンが桑田のほおに口づけると、盛り上がりは最高潮になった。