宝塚歌劇の雪組公演「Happy“NEW”Musical『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』-Boiled Doyle on the Toil Trail-」「Winter Spectacular『FROZEN HOLIDAY(フローズン・ホリデイ)』-Snow Troupe 100th Anniversary-」が1日、兵庫・宝塚大劇場で、2カ月ぶりの本拠地作として開幕した。

9月に25歳宙組団員が急死し、宙組公演を10月1日以降の宝塚公演全日程を中止。続く雪組公演も11月10日初日の予定から、上演を取りやめていた。

芝居は、生田大和氏の作・演出。「名探偵シャーロック・ホームズ」を生み出した英作家サー・アーサー・コナン・ドイルを主人公に、貧乏時代から作家として名を成し、自らの分身であるシャーロック・ホームズとの間で葛藤しつつ「自分らしさ」を求めて駆け抜ける様を描いた。

雪組トップ彩風咲奈が、口ひげを蓄えたドイルにふんし、エネルギッシュに表現。2番手スター朝美絢(あさみ・じゅん)が実在しないシャーロック・ホームズを好演、トップ娘役の夢白あやはドイルを支える妻ルイーザにふんした。

今作で退団する人気スター和希(かずき)そらは、ドイルの原稿を採用した「ホームズ担当」の編集者を好演。歌、芝居、ダンスと3拍子そろった技量を存分に発揮した。組内でも頼もしさを増す縣千(あがた・せん)は、史実では後年、心霊主義へ傾倒したドイルと関係した催眠術師をコミカルに演じた。

ショーの作・演出は野口幸作氏。来年誕生100年の雪組記念作として制作したといい、冬支度からクリスマス、大みそか、新年と「冬の休暇を楽しむエンターテインメント・レビュー」に仕上げた。

今作は宝塚では12月、その後の東京宝塚劇場は来年正月公演と、雪組99年から100年をまたいでの上演になり、未来、明日へ「つないでいく」内容になっている。

宝塚大劇場は12月13日まで、東京宝塚劇場は来年1月3日~2月11日。