俳優近藤芳正(62)村田雄浩(63)東茉凜(21)が3日、大阪市内で公開中の映画「事実無根」(柳裕章監督)の先行特別上映の舞台あいさつに登壇した。

京都に実在するユニークなカフェ「そのうちcafe」を舞台に人生のやり直しを温かく描いた群像劇。 カフェのマスターを務める近藤は劇中で吉本新喜劇の未知やすえの定番ギャグ「脳みそストローでチューチュー吸うたろか」を披露。客席からの質問タイムでは「未知やすえさんのギャグだと知ってましたか?」に「エッ! いま初めて知りました。そうなんですか。知りませんでした」と返答。質問者から「すごい上手なんで、びっくりしました」とホメ言葉をもらうと、「すいません、いや~、役作りしてませんでした」と笑顔で恐縮した。

作品は一方的な証言でセクハラ、パワハラの冤罪(えんざい)など、いつ何時、誰にでも降りかかるかもしれない「事実無根の罪」を日常生活に落とし込んだ。近藤が演じるカフェのマスター星孝史は離婚後、娘と1度も会えない生活が続いていた。元妻が調停の際、夫のDVがあったと証言したためだ。

村田はセクハラの冤罪(えんざい)で大学教授の職を追われ、ホームレスになった大林明彦を演じる。約50人のオーディションから選ばれヒロイン大林沙耶を演じる東は映画初主演。この3人の人生が複雑に絡み合う。

村田は劇中、公園でもらったパンをがっつくシーンを振り返り「勢いよく食べたら差し歯が4本、落ちた」と笑わせた。

東は役作りについて「(近藤さん、村田さん)の愛情がすごく伝わってきたので、愛情で返そうと思った」と話した。

「そのうちcafe」ついて近藤は「まだカフェは(発展する)途上みたい。われわれ、もういい年だけど、人間としては途上でまだまだ修行中みたいな。死ぬまで修業中で生きていくんだろうな。すごくステキな名前だなと思った」と話した。