宝塚歌劇団の星組トップ礼真琴が5日、約4カ月ぶりにファンの前へ戻ってきた。

星組公演「RRR×TAKA“R”AZUKA~√Bheem~」「VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)」がこの日、当初予定より4日遅れて、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎え、礼は、歌って踊るインド映画を原作にした主演作「RRR」に臨んだ。

礼は、昨年8月末に大千秋楽を迎えた前作本拠地作「1789」を終え、長期休養に入っていた。休養前の取材で「次にお会いする時には必ずレベルアップして戻って参りたいと思います」と話していた通り、持ち前の劇団きっての歌、ダンスの卓越した技量を存分に発揮する舞台となった。

“超高速”“激ムズ”と話題を集めたインドのダンス「ナートゥ」にも挑戦。同じく劇団きってのダンサーとして知られる2番手スター暁千星と、見事なシンクロでも魅了した。

「RRR」は大ヒットしたインド映画をもとに、圧政を敷くインド総督と戦うべく立ち上がったゴーンド族の守護者ビームと、大義を内に秘める英警官ラーマの友情、絆を描く。

主人公ビームには礼がふんし、盟友ラーマは暁が演じた。トップ娘役舞空瞳はインド総督のめいながら分け隔てない愛情を注ぐジェニファー、人気スター極美慎はその婚約者に。また、ビームとともに戦うキーパーソンの1人に、若手ながら芝居心に優れる稀惺かずとが抜てきされた。

礼、舞空に暁と、星組が誇る“ダンサー・トリデンテ”は、劇場をテーマにしたショーでも魅了。暁が女役にふんして、礼とからむ場面もあった。

劇団では昨年来、劇団員の負担軽減のため、公演数の見直しなどを行っているが、礼の休養は、それらに先駆けて、昨年春には決まっていた。だが、昨秋に劇団員が急死し、さらに過重労働へ配慮した計画が進み、今公演の開幕は元日から5日へずれ込んだ。

心身ともにリフレッシュした礼率いる星組。その個性が凝縮された公演となっている。宝塚大劇場は2月4日まで、東京宝塚劇場は2月23日~4月6日。【村上久美子】