元厚労官僚で神戸学院大学教授の中野雅至氏が8日、MBSテレビの情報番組「よんチャンTV」(月~金曜午後3時40分、関西ローカル)に出演。自民党の派閥政治資金パーティー裏金事件をめぐり、同党を離党した参院議員の世耕弘成氏が理事長を務める近大のガバナンスについて言及した。

番組では近大の歴史と世耕一族を特集した。近大は世耕氏の祖父で元衆院議員の弘一氏が創設。以降、主に世耕一族が理事長を務めてきた。

世耕氏は裏金問題で自民党を離党したが、理事長職については「政治活動とは関係ありません。私は政治家としての政治責任を取らせていただいた」と続投を表明。6日に行われた入学式でも新入生を前に祝辞を述べた。

これに、一部教職員から「片手間でできる仕事ではない」などと辞任を求める声が上がり、署名サイト「Change.org」では4万を超える署名が集まっている。

自身も大学教授の立場にある中野氏は「理事長は来なくても下が回れば回るという世界なので、片手間だからというのは違うんじゃないか」との考えを示した上で、「ガバナンスとして辞めさせる方法があるかどうか。世耕さんは、法は犯していないから不起訴になってるから辞めないと言えば、それで済んじゃう話。それを辞めさせる仕組みが大学にあるかが問題」と指摘した。

理事長は理事会で選出される形となっており、「理事会は多分、理事長の取り巻きというか、それに近い人がなっているから、基本的に異論は出てこないと思う」と推測。

その上で、「近畿大学が極めてまともと思ったのは、先生が堂々とこれだけ批判できるのはある意味、民主主義が効いてる。本当に一族の完全支配のところはこういう声は出なくて、言うたら解雇とかになるところもある。(声が)出てくるのは近畿大学はガバナンスは効いてると思いました」と語った。