映画製作者を対象にした「第43回藤本賞」の授賞式が9日、都内で行われた。

藤本賞を受賞した「ゴジラ-1.0」からは、プロデューサーで昨年亡くなった阿部秀司氏ら6人が表彰を受けた。

阿部氏の代理として出席した長男慎利氏は「彼はこれで藤本賞が4回目の受賞です。すごい人だったんだと思います。4回目の受賞で彼がここで何を話したのかは分かりませんが、想像してもらえればと思います。『ゴジラ-1.0』が遺作になって、すばらしい賞をいただいて彼も喜んでいると思います」とスピーチした。

特別賞の「PERFECT DAYS」はヴィム・ヴェンダース監督、主演役所広司らが表彰された。

役所はメッセージを寄せ「優れた映画製作者に贈られる藤本賞を俳優の私がいただくというのは、何かの間違いではと思いました。この映画との出会いは、今までの俳優と映画との出会いとは全く違っていました。お話をいただいたときは、具体的には公衆トイレの清掃員役ということだけが決まっていました。これは経験したことのない映画に参加できるかもしれないと直感し、その場でお受けしました。製作者の1人として名前を連ねることになりましたと聞いたとき、これは何かのわなかなと思いました。本当にこの作品は、経験したことのないことをたくさん経験させてくれました。そして最後の最後に、藤本賞という一生に1度の賞をいただきありがとうございます」と感謝した。ヴェンダース監督もメッセージを寄せた。

新人賞は「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」のプロデューサー、内藤圭祐氏に贈られた。

藤本賞は「社長」「若大将」シリーズなどを製作したプロデューサー藤本真澄氏の功績を記念し、観客の多大な支持を受け、優れたエンターテインメント性を持った映画の製作者を表彰している。