ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)が違法スポーツ賭博で借金を抱え、大谷の口座から不正送金した額が、総額1600万ドル(約24億円)以上と報じられた件が、映画の舞台あいさつで早くもネタにされた。

12日に東京・丸の内TOEIで行われた、アニメーション映画「クラユカバ」(塚原重義監督)初日舞台あいさつで、劇中で稲荷坂役など4役を演じた活動弁士の坂本頼光(44)は「本当に当たって欲しいな、という願い」とヒットを願った。声優として初主演した神田伯山(40)から「当たるというのは、具体的にどういうことなんですか?」と聞かれると、坂本は「興行的に、当たるということ」答えた。さらに伯山から「いくらいけば?」と聞かれると「それは、まぁ…6億とか24億でも…一平ちゃんみたいな」と答えた。

ちょうどこの日、少なくとも450万ドル(約6億7500万円)とされていた水原容疑者の不正送金が、それよりはるかに高額だったことが判明したと米ESPNなどが報じており、そのことを踏まえたジョークだったとみられる。取材席から、やや反応が起きると、坂本は「マズい」と苦笑い。司会からも「マスコミもいらっしゃるので、ちょっと…」とツッコミが入った。

坂本がヒットを願った裏には「17年くらいの付き合い。この作品を作るに当たって、いろいろな苦労を陰ながら知っていた」などと、今作が初長編作品となった塚原監督への思いがあった。伯山を主演に推薦したのも、坂本だという。今作では4役演じ、スピンオフ作品「クラメルカガリ」にも出演しており「こんなに役を振ってもらえるというのは、人件費対策かも知れないけれど冥利(みょうり)に尽きる。無事に封切られて良かった」などと感謝した。